2008 年 8 月 12 日

『村田エフェンディ滞土録』梨木果歩

カテゴリー: 読書 — shamdiary @ 9:47 PM

国とは一体何であろうか。

梨木果歩の作品には、「大きな概念」とそれに「連なる者」たちが描かれていることが多いように思います。この『村田エフェンディ滞土録』も、国や、信教や主張といったものと、それに所属している者(連なる者)達の様を描いたものだと、私は思っています。

主義・主張の異なる宗教間の対立、考えの違う国同士の対立。そういったものの中で、主義主張を超えたつながりを築いている村田とその周りの友人たち。決して、お気楽な話ではないし、ラストも気が晴れるような楽しい話ではありません。

けれど、体の中心に、冷たくて清らかな水を注がれたような、そんな感じを与えてくれる小説だと私は思います。

自然描写や、世界の神々が部屋の中で仲良くなったり、喧嘩したり、人間に怒られて逆ギレしたりと、ところどころに梨木さんの世界観(自然観といった方がふさわしいかも?)を残してるところが、本当に好きです。読んでいると「そうだ、受け入れればいいんだ」、という気持ちになれます。私の心の処方箋のような、そんな小説家なのかもしれませんね。

2008 年 8 月 6 日

『ハリーポッターと死の秘宝 上・下』J.K.ローリング作 松岡佑子訳

カテゴリー: 読書 — shamdiary @ 1:20 AM

世界中でベストセラーになったハリーポッターシリーズの最終巻。ちょうど今読み終えたところです。さすがに社会人になってから読むと数日掛かるのですね…学生の頃は上下巻通して、一日で読み切ったものですが。。

ハリーポッターが発売されたのは、私がまだ中学生の頃でした。席の近かった(おそらく読書好きな)女子生徒が「すごい面白い」と言っていて、なんとなく興味を持ったのが始まりでした。

読んでいて「これは、すごいぞ」と思ったものです。何がすごいかって、その世界観と読んだ人を惹きつける描写。目が疲れてるのに、もう深夜を回って眠いのに、先が気になってしょうがなくて無理して読み耽ってしまう。そんな経験は、初めてだったのです。

 序盤は冒険心からくるワクワク感が勝っていたハリーの世界も、中盤あたりから不安という霧が全体を包んでいました。時に霧が薄くなることはあっても、完全に晴れ渡ることはなかったように思います。前巻では、最愛の校長先生が殺されてしまう結果に、何人もの人が驚いてしまったことでしょう。「これは子供向けの話ではないのか!?」と思った人もいるかもしれません。「なぜ、こんなに重く、苦しい雰囲気にしてしまうのだ!!」と。

最終巻である、「死の秘宝」も、不安の霧の中から物語が始まります。。

この10年間、ハリーは本当に成長したと思います。頭に血が上ると、冷静さを欠いてしまうハリー。もちろん、その傾向はなくなってはいないけれど、それでも人に気遣い、真実を受け入れる器がハリーの中に出来上がっていたようです。数年前までは父親の若い時の悪ふざけすら信じようとはしなかったのに・・・

ハリーより、ずっと「少しだけ年上」の私は、ハリーの行動が「もどかしく」思えたときもありました。ただ、今、前の巻を読み返しても、そうは思うことはありません。ハリーの行動に対する私の考えの変化が、私に、この物語に対して「時間」を意識させます。10年続いた物語は、私の10年間の変化そのものです。読み終わって「ありがとう」を言いたくなる本は、本当に貴重だなと、そう思います。

英国ファンタジーの世界観、それは自然と人間が共に生きている世界だと私は思っています。非常に魅力的で、豊かな創造性。その中で育った子供も、その豊かさを享受し、きっと豊かな人間に育ってくれる。私も将来、子の親になる機会があるなら、子供にそういう世界観も見せられたらいいなと、そう思わずにはいられません。

2008 年 7 月 31 日

『眠っている発想力を引き出す本』樋口健夫/『線と面の思考術』袖川芳之

カテゴリー: 読書 — shamdiary @ 11:07 PM

どちらも発想・アイディアに関する本で前者はアイディアの『量』、後者は『体系化』について中心にまとめられている。

前者の中心に語られているのは「アイディアマラソン」についてだ。アイディアは、日々考えていると、どんどん紡ぎ出しやすくなっていく。だから、一日数個のアイディア出しを続けることが大切である。継続性の問題は、環境づくり(持ち運べるノート/習慣になるまではスケジュールを立てる…など)でカバーする。

一方で後者の範囲はもう少し広い。

発想力を引き出すのが『面』の思考で、それを体系立てたり、論理を通したりするのが『線』の思考であるとする。その2つを組み合わせて、人に納得してもらえる『企画』にまでアイディアを鍛える方法(『面』で発想→『線』でアイディアを絞りストーリーを構築→『面』でストーリーを吟味し、リアリティ(理屈っぽく聞こえないように)を持たせる→『線』で反対意見などを想定したりするなどの最後の仕上げを行う)などが書いてある。

人がものを見るとき、そこには絶対に「バイアス/偏見/思い込み」が存在する。その思い込みがあるから、人は思うようにアイディアが出せない。ただ、この思い込みの排除は、本当に難しいと私は思う。

アイディアマラソンと、線と面の思考は、自分の殻(思い込み)を破るためのツールなのだろう。うまく使っていきたいと思う。

『1回の会議・打ち合わせで必ず結論を出す技術』斎藤岳

カテゴリー: 読書 — shamdiary @ 12:02 AM

「えっと…今何の話してるんだっけ?」

そういう類のことを、会議や打ち合わせで一度は思ったことありませんか?私はしょっちゅうでして…だからこの本を読むことになったわけですね。

この本に書かれてることで大切だと思ったのは「会議にはフェーズがある」ということです。アイディアを出したいなら拡散させていくフェーズだし、意見をまとめたいなら収束させるフェーズ。大きく言っちゃえば、その2つがあって、これがごちゃまぜだと、会議がうまく進まないわけですね。収束させようとしてる場面で、当人が気になっていることばかり意見したりするとダメなわけです。

一般的には、誰かが意見すれば、それなりの反応を周囲が見せますよね。その人の意見も大切だと思うことは素晴らしいことです。でも、そんなことばかりしてたら、議論がまとまっていかない。いつまでたっても結論にたどりつかないわけですね。

そういう時の意見のさばき方、会議を本筋から外れないようにする為の方法。その例として、ホワイトボードの一角に「大切な意見なので忘れないように書いておくが、議論しないもの」を書くスペースを作るなどの方法があります。

また、会議の種類によっては 意見が全然でなかったりもします。その時には「質問の投げかけ方自体を見直す」ことが必要であったり(もっと答えやすい形にする/具体的な質問をするなど)、指名するなどの方法を利用することが有効でしょう。

私は学生の頃から、サークルでしょっちゅう会議がありました。執行学年の頃は、週に最低で2回。多いときは3~4回。それ以外にも、授業のグループワーク、ゼミのグループワークと打ち合わせづくめの学生生活を送ってきました。

それでも、会議・打ち合わせって難しいと思います。サークルの会議なんかだと「会議って儀式的なものでしょ?」なんて思ってる輩もいたりしますからね。

この本で紹介されている方法論も重要です。ただ、それを実践するためには、まず「会議に参加させる」ことが前提ですよね。みんながやる気のない状態であれば、話し合いなんて進みませんから。本の冒頭部でも、近いことが書かれていますが、私は目的の共有を第一に行うことが大切かなと思いました。その上で、「結論を出す」ことで、参加者のモチベーションを上げれれば最高かなと。

なので、今後会議を行うときは、

・まず目的を共有し

・会議の進行フェーズを確認し

・他の人が意見を出しやすいような発言を心がける

ようにしたいと思います。

2008 年 7 月 29 日

『2週間でベスト脳をつくる本』吉田たかよし

カテゴリー: 読書 — shamdiary @ 8:59 AM

ここ一番に向けて「脳」のコンディションを整える為の方法が書かれている本です。主に睡眠と食事について書かれていて、かなり実践的な内容でした。

人の対内時計はもともと25時間設定であり、日の光を浴びることで24時に調整される。

これは割と広く知られている知識だと思います。ただ、この本では「どうしてそういう仕組みになったのか」にも触れています。

また、睡眠に関する誤解(寝る前にアルコールをとった方が目覚めがよく、健康的だetc)についても解説しています。目覚まし時計のアラームは、脳によくないって知っていましたか??私は知りませんでした。

この本を読んでいて、一番新鮮だったことは、「常にベストでいることはよくない」ということ。精神論的には正しくても、医学的には間違っているということです。

ここ一番で、力を発揮するために、一番よいノンベストな状態の脳(ベストではない≠最悪の状態)でいることも必要だということ。

書かれていることを実践して、ここ一番で脳がベストパフォーマンスを発揮できるように、していきたいものですね。

2008 年 7 月 15 日

『ビジネスマンのための「解決力」養成講座』小宮 一慶

カテゴリー: 読書 — shamdiary @ 7:51 AM

例題を挙げつつ、それに取り組むことで「解決力」を磨くことを目指している本。ポケットサイズなので、短時間で読めるうえに、問題解決のためのツールの使い方に詳しくなれます。

ただ、「問題の見つけ方」について、記述と図表はあるのだけれど、それを習得するための例題なかったりと、全体として、例題の数が少ないような気はします。

高校とか大学受験の頃、「現代文」の勉強を真面目にやった人ってどれくらいいるだろうか。国語は感性の問題っしょ?と思ってた人も多いかもしれない。でも、私はかなり真面目に取り組んだわけさ。論理の把握の仕方だったり、取り組み方だったり、そういうことは、数をこなせば、慣れてくるし、勘に頼らなくてもできるようになるんだ。もちろん、大学入試でも、センター入試程度の問題だったら、勘でも当たることも多いだろうけど。一ツ橋とか東大とかだと、勘だと書けないでしょ 苦笑

(ちなみに、私は私立しか受験してませんが。国語の勉強は趣味でやってた)

この本でいう「解決力」も同じだと思うんだ。

ツールを使うことに慣れて、考え方のフレームワークが築かれれば、おのずと解決力は身に付くんだと思う。でも、日常的に、意識するのは最初のうちは大変だと思うから、もっと「問題集」的なものが出てきてもいいと思うんだ。

「ビジネスマンのための「解決力」問題集」とか、その内発売されんかね。

『自分ブランドの教科書』藤巻幸夫

カテゴリー: 読書 — shamdiary @ 7:35 AM

研修も一段落し、気を抜いてたら怠惰な生活が続いてしまいました。。これから立て直したいと思ってます。

そんな中、やっぱり魅力的な人間になりたいなあと、思い手に取った一冊。『自分ブランドの教科書』

「教科書」と謳うだけあって具体的に、どこをどうすればいいっていうことが書かれています。ひとつずつ行動してみるか、何度も読んで全部を腹に落とすかすれば、少しずつでも日常に変化が起こりそうな気はします。

「読めば終わり」という本でもなければ、「読めば何かが変わる」という本でもありません。

 とにかく、現状に甘んじることは自分ブランドを築く上でもNGだということは理解できると思います。私は、日常的な会話などにおいても、「表現力」がないので、まず表現力を高めたいと思っています。

2008 年 6 月 25 日

『隠れたお金持ちが、みんなやっている投資の法則』中桐啓貴

カテゴリー: 読書 — shamdiary @ 11:12 PM

仕事が佳境になってくると、自分の時間は減ってしまいますよね…

いや、実際は減ってないのですけど…仕事に精を出すと、休憩を多くとりたくなって、他のことへのバイタリティが減退してしまうんだと思います。

 そんな中読んだ、軽い読み物のご紹介。『隠れたお金持ちが「、みんなやってる投資の法則』。

例えばこんな話。「どこどこへ行けば、いくらでも一万円が拾えるんだよ」と言ってる人がいたとします。あなたはこの人の話を信じますか?

 多くの人は、信じないと思うんですよね。じゃあ、投資の世界ではどうかっていうと、「この株買えば儲かりますよ」って話に、「有名な人が言ってるんだから…」と、ついつい買ってしまいがち。

これは、本質的には前述した「一万円」の話と同じなんですけど。。

 こんな感じの「常識」が、10つのストーリーと一緒に書かれた、非常に読みやすい本でした。

中でも勉強になったなと思ったことは、中身のある株価の上昇と、バブルの違いについてですね。バブルは、簡単に言っちゃえば、ブームなんだなぁって感じました。

なんかの思い込みだったり、雰囲気だったりで、中身以上にモノが大きく見える。で、冷静になってみたら、それはそこまで中身が伴ってないから、はじけちゃう。勘の鋭い人が「なんでこんな値上がりしてんだろう?」って、熱が急に冷め始める。そしたら、周りもどんどん、夢から覚めて、大暴落!!みたいな。

値上がりしてることの理由を考えることが必要なんだと思います。

少し前だったら中国株しかり、インド株しかり。今だったら資源高に潤う、アラブ諸国やロシアしかりです。

石油の事をろくに知らないのに、「これからは資源がある国が強い」と盲信してしまったら、結局「一万円の話」と一緒です。誰かが言ってるから、そう思ってるわけだからね。

どんなメディアや本やネット上の噂だって、真実と嘘がいっしょくたになってる。

だから、自分の目を鍛えていかないといけないんだなって、この本を読みながらそう考えました。

まぁ、当たり前のことですよね。この本、当たり前のことが書いてあるんです。でも、それを実行できているかの確認として、非常に有益な本には違いないと私は感じました。

2008 年 6 月 17 日

『シネマ坊主 3』松本人志

カテゴリー: 読書 — shamdiary @ 12:24 AM

いつもとはだいぶジャンルが変わりますが、ダウンタウンまっちゃんの『シネマ坊主』の3作目を読みました。

松本人志氏の価値観で、映画を評論している。要はそれだけの本。映画評論として価値があるのかは、私には分りません。

ただ、いわゆる「博識」の方が、映画云々を語るよりも、「納得」出来る部分が多いのではないかなと感じました。

 一貫しているのは「細部が整理されているか甘いか」「コンセプトがあるか否か」といった指標でしょうか。「三丁目の夕日」で冷蔵庫を開けた時、入ってたモノに期待したのだけど、期待はずれだった…こんな感じで書いていた部分があったかな。私もそういうのを気にしちゃう性質なんで、個人的には納得できる点が多い映画評論集でしたね。

 松本氏も私も、流れが切れている映画は集中して見れないというのも共通しているようですね。日曜に「続・三丁目の夕日」のDVDを家で見ました。まぁ、泣かせようとして作ってるのは理解できたのだけれど、ラストに近いシーンで、「え?借金は結局どうなったん?」と思ってしまうような展開があったり、明らかに説明が不足しているなと感じてしまう。そういうのがあると、そっちが気になってしまう。

そんな感じで、たしかに納得できる点は多かった。ただ、松本氏の好き嫌いが全面に出ちゃってる点は「う~ん…」と感じる点もちらほらありました。私はジョニーデップのファンなので、彼について「コスプレ」呼ばわりしているのとかは、ちょっとなぁと思ったりね 笑

パイレーツだってチャーリーだって、ジョニーデップの独特の動作って、他の人じゃ出来ませんよね。(真似は出来たとしても、オリジナルでああいう動きにはならないでしょう)それがベストの動き方かどうかは、もちろん、そんなことはないのだけど。でも、演技って、そういう細かい部分の蓄積ですよね?そういう点では、ジョニーデップはすごいとおもうんだけどなぁ、と思ったわけですね。

(あと、パイレーツは、1作目で死んだはずの敵役船長が、2作目のラストで出てきましたが、あの辺について「あんなの、相当みてなきゃ分らん」と書いていて、いや分るっしょと思ってしまったりもしましたね…)

要は、関心があるかどうか。人だったり、文化だったりも含めて。

私は日本人の女優とかアイドルの区別が、かなりあいまいですが(スザンヌとマリエの区別がつきませんからね 苦笑)、それは関心があんまりないからですね。(もちろん、相当特徴的か、気に入った女優であったり、アイドルなら認識できますしね)松本氏は、海外の俳優に対して、そういう状況なんだろうなぁ。

そういう意味では、もともと関心がないのに、惹きつけられるような映画は、真に優れているのかもしれませんね。

それにしても、こういう本を読んで、何かを学び取るというのは、非常に難しい。

ただ、上でも書きましたが、人は自分の目にフィルターを掛けている状態でしか、物事を見れないわけです。だから、人に何かを伝えるということは、本当に難しいなと。前提として「伝わらない」と考えておく必要性、改めて肝に銘じましたね。

2008 年 6 月 11 日

『リッツカールトンが大切にするサービスを超える瞬間』高野登

カテゴリー: 読書 — shamdiary @ 9:16 PM

この本も、割と売れたような気がします。世界的な高級ホテル、リッツカールトンのサービス精神について書かれた本です。

最近感じていることは、他業種・他業界について書かれた本からの方が、得ることが多いなということです。私はIT産業のサラリーマンな訳ですが、どんな産業においてもサービス精神は必要なわけで、だったらサービスのプロの話を聞くのは勉強になることは自明なことではありますが。

サービス、おもてなしの精神。それは、従業員どうしの間でも日常行われているそうです。常に誰かをもてなそうとしている。だから、本当にお客様が必要としているサービスにも、すぐに気づくことができる。また、常にもてなすことを考えているから、事前準備も万端である。こういう(常にサービスを忘れないような)環境づくりが、何より大切なのだなと感じました。

サービスを忘れない環境づくりは、今すぐ実行することは難しいですが、すぐに実行できるなと考えたこともありました。それが「クレドカード」です。「クレドカード」という、リッツカールトンの従業員が肌身は出さず持ち歩いている、サービスの心得や行動指針が書かれたカードがあります。その規則などを持ち歩いたってしょうがないですが、この「精神」を持ち歩くという行為は、すぐに実行できる事柄だなと思います。

自分が一番大切にしたいことをカードに書いて持ち歩く。一番大切にしたいことさえ、見つけているなら、今すぐできます。

私の場合は、「一番大切なこと」を見つけるのに、なかなか苦労しましたが…

ようやく私が大切にしたいことは「人に対して誠意を持って接する」ということだなと思えるようになりました。幼いころから、私は人に尽くすことが好きだったんです。

「相手の迷惑にならないようには注意しつつ、人に対して誠意を持って接する」

「相手を助けるようにする。ただし、相手の成長を妨げないように注意する」

「その場の安請け合いは絶対にしない…最終的に人に迷惑を掛けるのを避ける」

この3点を私のクレドカードに書いて、持ち歩こうと思っています。

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