虚実の判定は、以前、邪気と真気の判定のところで詳細を書きましたが、今回は純粋な虚実という言葉だけの反応を観察してみます。
この人は虚の体質だというような言い方をする場合がありますが、虚の体質は全てが虚になっている訳ではありません。虚でありながら実のところもあります。しかし、その範囲に違いがあります。
例えば、あきらかに虚証と思える痩せたご高齢の方で舌も気陰旅虚というような方で喘息を持病に持っている患者さんがいたとします。確かに「虚」という反応が胸部を中心に大きな範囲ででています。このような場合、右手には、陰経で心経あたりの反応が上肢にあり左手には陽経に小腸経あたりに反応があったりします。虚実以外の反応では、また別の反応が上肢の経絡上にでている場合もあるので、しっかり観察しないといけませんが、虚実の「虚」だけの反応から見れば、それで良かったということです。
「実」の反応は、上肢にはでていませんが、下肢にでています。胃経上にでていたとします。そして、気水血の「血」の反応が左上肢の肺経、左胃経周囲にでているという状況だとします。
また熱の反応は左上肢心包経、左下肢脾経と反応がでているという状況だったとします。
仮にという話ですが、これだけの反応があった場合、異常な反応という条件付けでみた場合、上肢を中心に胸部や背部等々にも出現して、何を中心に治していけば良いか迷ってしまうということです。
様々な反応が出現した場合、何を中心に考えていくのが正しいのかを決めることは結構難しいことであり、迷う判断を迫られます。これは脈診をしていても問題になると思うのですが、脈を診ていても右寸、左関、左尺などと、色んな脈がでてきて、何から手を付けて良いのかが区別が付かないということがあると思います。
ここで考えるのは「血」の反応と「実」の反応が胃経上に存在しているということではないかと思います。それに目をつけ「血」「実」、「熱」という複合した反応がある左胃経上を中心に調整を行ってみればどうかという考えが起こります。

症状を改善するというより、色濃くでている反応を消去するという考え方が、その人の自然治癒力を最大限に活性化させるようです。そのためにも刺激をする順番を明確にすると効果が著しく違います。この例の場合、「血」と「実」の左胃経を狙って刺激を最初に行った場合と左肺経の「血」の反応を狙った場合ではその後の効果が違うことがわかります。
優位診断をするためには、まず手を左胃経上にかざし、胃経の「血」と「実」を調整してみると身体全体の反応がどうなるか?
という純粋な問いかけをしてみて、胸鎖乳突筋、僧帽筋、上腕二頭筋、大腿二頭筋や内転筋、脊柱起立筋等々の緊張の左右差を調べてみます。
次に左肺経の「血」の反応を消去してみたらどうかという問いかけをしてみて、同様に全体の筋肉を観察してみると、どちらが優位なのかは一目瞭然になるでしょう。
こういうイメージの中のストーリーを作っていくことが何よりも大事です。
この場合は、ホントに単純なストーリーであり、役者も少ないといえます。気水血と寒熱、虚実という基本的な役者が病態にどういう役割を果たしているのかを観察し、そのストーリーを作っていくということです。
最初に胃の治療を選んだのは、まず脾胃の調子を整え、身体の中心のエネルギーを活性化した後に肺や心臓といった呼吸に関する反応を調整するという考えが成り立ちます。中医学的な考えと一緒のようなストーリーですね。
しかし、そのストーリーは、役者が少ない時になりたつ小さい範囲の中のストーリーです。これに様々な役者が登場すると大きく反応部位が変化することがあります。
例えば、神智学のエーテル、アストラル、メンタルというような体外の経気をイメージの中に取り入れ、その主な反応がメンタル反応であると判断し、反応を診ると、後頭部にしか治療経気がでていないということが起こりえます。
つまり大きな範囲で調べると小さい範囲の反応が一つにまとまっていくような感じですね。しかし小さい範囲(肉体より)の反応がなくなっている訳ではありません。肉体にイメージを変えれば同じような反応が出現してきます。
ただ、体外の反応とは体表面から距離が大きくなったことを意味しますので、全体を観察すると、どこが一番異常なのかが、詳細にわかったりする訳です。このように距離とも関係があるので、様々なイメージングで色々変化する身体の反応を楽しんでみるというのがイメージングによる筋力検査法の醍醐味です。