Archive for the ‘「気」の診断(筋力検査)の考察’ Category

10 月
15
Filed Under (解剖学的な穴反応) by omisono on 15-10-2010

身体の構造から穴を考えたり、解剖学的な位置関係から穴を考えるというのは、よくある話だと思います。それは、穴の教科書を見ると神経や筋肉の走行や場所が書かれていたりすることでもわかります。しかし、その奥の位置にある器官については、書いてありません。穴のある位置の奥にある骨や内臓に何があるのかというのは、イメージングを利用した治療ではとても重要な意味があります。

例えば「熱」の条件で頭頚部を調べると反応の起こりやすい部分があります。図をご覧になって頂くとわかりますが、ここは「熱」という条件を付けてトリックモーション検査法(TM)で調べた反応点です。



またトリックモーション検査法で調べただけでなく、このあたりのポイントに数回鍼先を当てる程度の刺激で頭がスッキリしたとか肩や首の緊張がなくなったという症状の変化が起きたところです。一番ハッキリしているのは、顔や頭が熱っぽい感じがあったのが一瞬でなくなったという感覚を得たところでもあります。つまり、ここを刺激し、「熱」が分散することで、「熱」からくる首や肩の緊張、頭の痛み、目の疲れ等々がなくなったといえる場所です。

このポイントを見ると(右図を参照)縦方向と横方向にポイントが集まっているところがあるように思えます。線を引いてみると水平横断面では、耳の中心から耳の下あたりに集中し、縦方向で耳前あたりに集中していることがわかります。

それでは、この部分には何があるのでしょうか?

脳神経では、延髄、橋が位置すると思います。wikiペディアに簡単な図がのっています。

脳が回る図がのっていますので右の図と照らし合わせると鼻から耳にかけてのライン上に位置しているのがわかります。それでは主な橋の作用は何でしょうか?

呼吸のリズムや深さを調節し、また目や顔を動かす神経がこの部分から出入りします。橋に障害を生じると、物が二重に見えたり、嘔吐します。また、食べたものをうまく飲み込めなくなったりし、また顔が歪んだりします。

橋の下には延髄があります。主な作用は?

くしゃみやせきをすることによって気管への異物の侵入を防いだり、無意識に食物を噛んで飲み込む運動を行ったりしています。また、呼吸や血液の循環、発汗、排泄などを調節する中枢もここにあります。延髄に障害が起こると、呼吸や血液循環などの生命維持機能に障害が出るため、呼吸麻痺などの非常に危険な状態になります。

橋や延髄には呼吸や発汗、排泄に関する中枢があり、生命維持に欠かせない機能が揃っているということです。この位置に「熱」反応が起これば、神経は正しく機能しないということになるのではないかと思います。何故なら神経も電線と同じで「熱」によって抵抗が起こるからです。「熱」による抵抗が起これば、抵抗による「熱」が起こることになるのだと思います。こうして「熱」の悪循環が起こっているように思えます。

また側頭骨の形状から耳下の後ろには突起があり(乳様突起)、乳様突起の前に茎状突起という突起がでています。この突起は何故でているのかを考えた一つの考察があります。

それは、頭部は沢山の血液を使い、当然「熱」を帯びやすくなります。その熱をどこかへ逃がしやすい形を作る必要があったということです。しかも頭頂方向ではなく、頭蓋下部から首に逃がし、大循環に乗せて冷やそうとする働きがあってしかるべきだと考えられます。はんだごてをイメージして貰うとわかりますが、熱は先の尖ったところに集まりやすいので、きっと茎状突起の先端や乳様突起の先端には、はんだごてと同じように熱を伝える働きがあるのだと思います。また乳様突起には胸鎖乳突筋という首の中では非常に重要な働きをする筋肉が鎖骨や胸骨にくっついています。乳様突起付近で熱の反応を確認すると、鎖骨内端や胸骨上部にも圧痛がでます。これは乳様突起から胸鎖乳突筋を伝って胸骨や鎖骨まで異常が伝わったと考えられます。



軽く指先でトントンと叩くと、響くような圧痛があり、左右差があります。例えば左の乳様突起下に熱反応があると、同調するように、左鎖骨内端と胸骨の上部で鎖骨内端と接合する部分にこのような圧痛がでるのです。当然ですが、この場合、左乳様突起にも同様の骨に響くような圧痛が起こります。熱を筋肉を通して逃がしていると思えるような反応だと思います。

熱の出入りはとても大事で、イメージングによるトリックモーション検査法によって、熱の所在場所を特定し、それを刺激しつつ、首や肩の動きを観察することはとても重要です。特に噛み合わせを調整するような場合、耳の前には顎関節があります。ここも熱の伝わりやすいところです。ここに起こった熱が顎の先端や下顎角あたりに熱が伝導するでしょう。角や突起のある部分は形状的に熱が貯まりやすい構造をしているという特性があるといえます。

刺激をする適応のある部分と形状的な構造が一致しているというのはとても面白いと思います。頭頚部だけを見ても、他にも沢山類似するところがあります。頭位軸を考えただけでも様々な反応点と刺激点があり、これを刺激することで、首や肩の動きが変化しますが、それに伴い足や腰の全身に影響を与えるのがわかります。

頭頚部を観察しただけでも全身が対応しているということの現れだと思いますが、そういう話は高麗手指針や耳鍼、夢分流等様々な局所と全身が対応している場所があるというのと変わりはありません。

カイロプラクティックの世界でも環椎後頭関節を調整すれば全身が調うと主張する人もいるので、一つの局部が全身と対応しているというのは事実だと思います。

そして、それは、頭頚部や耳、手、お腹、だけにあらわれるのではなく全身の各所にあらわれるはずです。どんなところにでも全身が反映した図を確認することができてしまいます。気を拡張させて診断をするとどのような場所にも全身と関係のある穴が出現するということです。肘にも膝にも腰にもです。またその局所には十二正経が規則正しく配置していたり、内臓の図が観察されたりするのです。そしてそれは観察者の目によって配置が大きく違ってきたりします。これは相対的なものであり、配置が違うから間違いだとはいえないのです。耳鍼をみてもわかるように色んな説があると思います。ノジェの図だけではない反射図が他にも色々あるのは、それをあらわしていると思います。

私が常日頃からいっているように、その人のバックボーンに何がある(基本的な考え)かによって変わってくるということです。考えたら驚きだと思いますが、常に相対的なのです。

面白いと思いませんか?

その人のバックボーンが複雑であれば、詳細な図が現れ、そうでなければ単純な図が現れてきます。しかし、全ては間違いではないということです。イメージングをしながら、関連臓腑や関連経絡を局所に刺激できるのです。ただ明確な条件付けが必要だということには違いはありません。

東洋医学は、そういう面白味を持っていますので、初心者であっても当たれば大きいともいえるのです。コンスタントに的に当てようと思えば、やはりバックボーンの複雑さが要求されるということになります。

このブログに書かれた内容は、私独自の考えなので、これらの文章は転載禁止とします。転載希望の方は、一言、メールでお知らせ頂き、御薗治療院のブログからという記述を加えて頂きたいと思います。



10 月
06
Filed Under (「気」の診断(筋力検査)の考察, 今日の記録) by omisono on 06-10-2010

花粉症のような症状をしている人がいます。秋の季節の変動かなと思いますが、反応を診てみると色んな反応がでています。

まず、胃腸反応があり、左臍から側腹部、下腹部、左足大腿内側に反応がありますが、これはアレルギー疾患の場合、必ずでてくる初期反応です。初期反応がとれないと、次の段階にはいきませんので、これを調整することは絶対に必要なことです。

胃腸、熱水といった反応が中心となりますので、この熱水の反応がなくなることが目標ですね。しかし、それだけでは症状が緩解しないことが殆どです。

それでは他にアレルギー的な反応に何があるのでしょうか?

様々な要因は考えられますが、要因ではなく、身体に起こっている変化を対象に調べていくのも一つの手です。

手のこわばりが朝あるという女性の反応を診てみると邪気の反応が0~5の六段階で、5の反応が、左側頸部から左側胸部に存在し、真気は3という形で邪気と真気が混在しているという状態で反応がありました。
内臓の反応は脾臓、この邪気によって生じた気水血は「水」「熱」 という状態でした。通常側頸部あたりに邪気がある場合、肺の反応が出やすくなるのですが、この方の場合、脾臓の反応だったのであきらかにリンパ系に熱があると考えた方が良いと思います。

下顎リンパ、腋窩リンパ、鎖骨下リンパ等々の左周囲では圧痛が存在し、右にはあまり反応がありません。左リンパ系の熱が引き起こした朝のこわばりではないかと判断できます。

そして脾臓はリンパ節の親玉のような存在ですから少なからず影響はでるものと思いますが、筋力検査によって反応があり、左背部(脾臓あたりの高さ)にも右とは違う動きの悪さや圧痛が存在していました。
胃の調子が悪くなると、胸椎下部から腰椎上部の回旋運動が左側で制限されやすいのですが、脾臓の反応だとそう顕著ではありません。回旋運動より伸展運動に制限がでるような感じです。当然ですが、左肋骨にも圧痛がでて、呼吸もある程度制限されることが多くなります。お腹を引っ込め胸を膨らまそうとしても左の胸の動きが悪く呼吸が不完全であることを物語っています。

朝の強ばりがありますが、昼間も触診すると各関節の腫れを観察することができます。

まず最初の所見としては、一番腫れの酷かったのは示指から薬指のMP関節でPIP関節は薬指の腫れがあったという状況です。

DIP関節には殆ど腫れはなく、手根骨も母指側に一部と手首の橈骨にも僅かな腫れが認められました。こういう場合、指だけを刺激することが必要だと考え、指先に囚われ気味ですが、実際には左側頸部から側胸部の反応が主役になっていますので、これを何とかしないと手の各関節の腫れはなくならないか非常に効率が悪いということが考えられます。

全体の影響がかなりあったので、主役の反応を調整することが必要だったので、これを調整してみました。

脾経の三陰交、奇経治療として列欠、照海を刺激したのですが、この局所経気は左膝内側にありました。治本、治標、局所の経気の違いは何度も書きましたので省略しますが、円状の経気線の方向によって区分されています。局所経気が主役になるというと疑問に思うかもわかりませんが、本来、一つの刺激は、全身を巡るはずなので、厳密にいうと治本も治標も局所も全ては全身への刺激となりえるということです。

主役の異常経気は左側頸部にあるのに局所経気は左膝内側にあり、それを消失させないと全身に影響を与えないという状態だということです。

治本法としては、69難正経自病で三焦経の陽池が適応で治本経気は右側胸部に存在していました。治本も治標も局所も経気の方向性が違うというだけで、最終的には全身への刺激となりえますので、効率のよい治療経気を選択し、それを消失させるイメージングを行うことが目的です。

(下図を参照)


ア DIP関節 遠位指節間関節
イ PIP関節 近位指節間関節
ウ MP関節 中手指節間関節
エ IP関節 指節間関節
オ MP関節 中手指節間関節
カ 母指CM関節 母指手根中手関節
1 末節骨
2 中節骨
3 基節骨
4 中手骨

中手骨の手前が手根骨、手首の肘側の母指側が橈骨、小指側が尺骨

この刺激を行うとMP関節やPIP関節の腫れが消失し、手根骨の腫れも少なくなりました。その変わり、小指のMP関節とPIP関節の腫れが目立つようになり、ご本人も小指の違和感だけになったといいました。

この時点で左側頸部の反応だけが強くなり、側胸部の反応が消失しました。側頸部の一部が裏証と肺、「水」の反応が強くなったということなのです。つまり表面上の反応が消失し、裏証としての肺の反応が出現し、より明確な病態の把握ができるようになったということがいえるのです。それと同時に小指の症状が強くなったということは、小指と側頸部上部が関連しているということもいえます。

左側頸部に接触するぐらいの刺激を行いながら、環椎と軸椎の運動をイメージングし、僅かに首を回旋させる運動を行いました。この時点で胸椎上部のつまりがなくなり、伸展しやすくなり、胸の動きが良くなり、呼吸が深く入るようになったようです。

呼吸運動は、殆どが横隔膜で行われますが、補助的に肋間筋等が関与しています。臨床的には胸部の動きの方が重要で、呼吸が入りにくいという症状を訴えている人は肋間筋の動きが良くならないと楽になったとはいいません。

各関節の運動は、頭頚部の微妙な動きと関係するというのは、カイロプラクティックなどのテクニックにも存在すると思います。それを鍼灸的に考えて、もっと単純に確実な効果を出す方法として、このような前処置法と直接的な刺激をご紹介致しました。

文章で書くととても難しいように思えますが、刺激としては数分です。ただこういう刺激で良くなっても、それを維持していく努力というのは日常生活や身体の使い方で変えていく必要がありますので、その指導を行いながら、悪かった動きを少しでも改善していく方向にするのです。

これらの刺激によって呼吸が深くなり、リンパの流れが良くなり、筋肉が弛緩し、頭がスッキリし、指の動きが良くなったようです。リンパの流れが何故悪くなるのかは、気温の寒暖の差や気の停滞が考えられます。気の停滞は、精神的なものでも起こりますが、身体の使い方や様々なものからでる電磁波等も対象になるでしょう。もちろん普段から食べている食べ物なども大きく影響すると思います。ただ、大事なことは気を通すことです。気を通すためには、姿勢を維持させようと意識することが何よりも重要なことです。基本的な姿勢をイメージングするだけでも効果があると思います。それと異常な「気」の反応を消失させるようにすることで症状が再発しにくくなってくると思います。

この診断状態を見るとリンパ系に異常な「気」の存在があり、それによってリンパ系の機能が落ちることで内熱が起こり、それが手の各指の関節の腫れを誘発し、動きを制限したといえるのではないかと私は考えています。こういう異常は、季節の変わり目などで非常に起こりやすくなるのですが、痛む関節に湿布等を貼ってもなかなか良くならないというのが通常です。

同じような反応の方を見つけたら、痛む場所に囚われないで治療してみて下さい。

このブログに書かれた内容は、私独自の考えなので、これらの文章は転載禁止とします。転載希望の方は、一言、メールでお知らせ頂き、御薗治療院のブログからという記述を加えて頂きたいと思います。



9 月
29
Filed Under (「気」の診断(筋力検査)の考察) by omisono on 29-09-2010

最近、胃の反応がでている人が多いのと肺の反応が多いようです。急激に寒くなったりして、風邪をひいている人が多くなったのだと思うのですが、咽や鼻に風邪の反応がなくて、肺の反応だけがある人も多いです。今から侵攻しようとしているのかわかりませんが、いわゆる邪気が肺から気管支、咽、鼻周囲に反応があるのだと思います。また胃腸(胃のみではなく十二指腸付近にも)反応があり、咽までつながっていることもありますが、胃腸のみの反応で症状が咽だけにでている場合もあります。

邪が肺に入ると咽の違和感や咳や痰等の呼吸器系統の症状がでたりしますが、肺に入っていても何も感じない人もあります。これは、身体が邪気を細菌やウィルスとは別の考えで扱っているということでしょう。しかし、細菌やウィルスの条件で筋力検査をすると反応があるのです。不思議なことだと思いますが、事実です。前触れのような反応なのだと思いますが、O-リングテストを行っている先生達も同じようなことを書いておられますが、実際の検査では全く問題がないのにO-リングテストでは問題があるようにでるということはあり、それを調整するような漢方薬や刺激を加えると症状が緩解するというようなことをおっしゃっています。

これについては私も同感なのですが、だから細菌感染があるとかウィルス感染があるとしても良いものかどうか?

これについては疑問に思いますし、科学的な検査によってわからないものを反応で拾う場合、あくまでも反応上という形で処理した方が良いように思います。そういう反応がかなり多いので、常識的でないことがO-リングテストの疑問点という形になっているのではないかとも思うのですが・・・。

邪の反応があるからそこに何らかの炎症等があるのかといえば、そうだとは限りません。「邪気」の反応として存在しているのみで、肉体的な反応ではないという段階があるのです。しかし、この邪気が問題で内臓の調子が悪くなっている場合というのもありえます。つまり、何らかのきっかけ(ここでは邪気のことを何らかの影響を与えた原因)が元で、説明のつかない症状が起こっていると考える必要があるということです。例えば胃に腫瘍があると科学的な検査で確定している人であっても、それに影響する何らかのきっかけがないと症状がそうすすまなかったり、小さい腫瘍だったものが何らかのきっかけが大きいために急激に進行していったりということがありえるということなのです。

肉体は精神の鏡ですが、「気」の反応があるとそれが原因で肉体に影響を与えます。一番簡単にわかる肉体の反応は圧痛でしょう。軽く指先で触れるだけで圧痛を感じたりするからです。また、関節の可動域もよくわかる反応です。右は動くが左は動かないという形になったりしますが、「気」の反応が消失すると、左右の動きが良くなりますので、それが問題だったとわかります。それでも「気」の反応のある場所は何の症状もないということも多々あります。症状のある場所が原因だと思い込むのは、術者の観察が幼稚だからです。

科学的な検査法ではわかりえない何らかのきっかけを見つけ、それを対処するだけでも実際のものに大きな影響を与えることがあるので、それをうまく処理することができれば、もっと患者さんの負担を軽減できるのにと思うことが多々あります。腫瘍があれば、それを完全に消し去らないといけないと考えることも人によっては間違いであったりしますし、うまく共存できる可能性を完全否定して、死ぬまで癌と闘い続けさせ体力を消耗させてしまえば、結果はわかっていることだろうと思います。簡単な検査と見方を変えることで、少しでも楽になるなら、その方が良い場合もあるでしょう。難しい問題ではありますが、そういう選択枝を模索していくことこそが、今後の治療を発展させていく方法だと思ってしまいます。

感覚を頼りにして、経験を積んでいく訳ですが、あきらかに変化したというのがわかるとその関連性がよくわかります。

精神から肉体へ影響するものは、自分自身が悩んでいることがあるからという理由だけではありません。例えば部屋の形や置いてある物によっても影響をうける場合があるようです。これを電磁波の影響としている人もいますが、電気が発生しないものでも起こる可能性があるので、様々な物が肉体に影響を与えているようです。この研究は最近やりはじめたばかりですが、生活環境という条件付けで上中下で反応してきます。

寝室も関係あるようですが、細かく分別しつづけるとそれに嵌ってしまいますので、全体を見られなくなってしまうこともあるので気をつけなければいけません。肉体に及ぼす一つの影響として考えて、それが一つの原因である可能性を示唆することはできます。

しかし、自分の身体が最大限の活性度を示せば、それらの影響は受けにくくなると思いますので、やはり肉体と精神のバランスが何よりも重要だと思います。

最近多い胃の反応でも単純に胃熱がある場合と、生活環境からも来ている反応とでは複雑さが違います。単純な場合は、それだけを意識して治療を行えば改善しますが、複雑な反応になるとそれだけでは改善しません。

こういう場合も肉体から遠く離れて診察するという方法があります。

これは意識の階層構造を使う訳ですが、肉体から太陽系の外側まで離れた意識を持って、反応を診ると全く違った答えが返ってくることがあります。意識を太陽系の外側まで持って行けるかどうかは重要なポイントですが、近くばかりを見ていると何が本当の原因なのかがわからなくなってくるのです。少し距離を置いて(数メートル)同じ診断をしてみるのも効果的ですので、見方を変えて貰うことはとても重要だと思います。

詳細に調べれば調べる程、様々な反応があらわれ、それが原因かと思うことがありますが、それを繰り返していると大極を見失ってしまうことがあるのです。気の診断と治療においては、しらみ潰しに調べていく方法もあるのですが、それをやりすぎると術者のエネルギーの浪費が大きくなりすぎ、疲れてしまって、正しい答えを出せなくなってしまう時期があります。

これは気の診断にとって重要な現象ですので、詳細になりすぎず、大まかになりすぎずというバランスが大事です。頭を常に切りかえる勇気が必要ですね。言葉でいうのは簡単ですが、意外この切りかえが難しいというのが気の診断のもう一つの特徴ですね。劇的に治ったような経験をしてしまうと、それに囚われすぎて、その反応がでてくるまで細かく調べたりしますが、正しい結果にはならないことがあります。

そういう時こそ見方を変える勇気が必要なのです。気の診断の戒めとして覚えておいて下さい。

臨床的な例を書いてみます。

肩の違和感を訴える40代女性が右肺に細菌感染の反応がありました。細菌がなんであるかは特定していません。全体的な反応を見ていると「中」の反応で四肢に異常反応がありました。
ここで考えられる事は、手首の外側に異常が強く、伸筋側から上肢を通って鎖骨、側頚部から前頚部まで反応があり、これが原因で肩や首の違和感になっているということだと思います。
肩の緊張や違和感は、肺や気管支、咽頭部と関係がある事は常ですが、この場合は、手首の筋肉の反応が強く水、熱という反応でした。
これをどう考えれば良いのかですが、聞いてみると草取りを2~3日一生懸命やったらしく、手首から異常が来ているかもと聞いて思い出したみたいです。
しかし、細菌感染の反応があり、実邪が胸部にもあるのです。つまり、胸部から実邪を取り除こうと処置をするとその元になっている手首の反応が残り、取れきれなくなってしまうということが起こります。
肉体のみの反応では胸部の反応がかなり強くあらわれていたので、手首の反応を見落とす可能性もがあります。
太陽系の外側に意識を持って行き眺めると手首が優位だとはっきりわかります。
意識の切り替えによって、優先順位が違って来るという典型的な例です。
筋肉の使い方の過不足により水分代謝の異常が起こり熱となって首や肩に影響を与えていたと考えれば、納得行く答えになると思います。
手首の反応を消去すると当然ですが、首や肩の緊張はなくなっていきました。目も楽になり頭もスッキリしました。もちろん、数カ所の刺激でしたから、間違いなく適切な答えだったと思います。
優先順位を間違えると簡単な刺激でなく、複雑な刺激をしないと効果がないということになりますので、何が優位か、どのポジションで観察するのが適切かということを常に意識する必要があるということですね。こういう例は沢山ありますので気がついたらその都度書いてみたいと思います。



9 月
14
Filed Under (「気」の診断(筋力検査)の考察) by omisono on 14-09-2010

夏ばては、身体の中の水分が不足してしまったり、胃腸の働きが悪くなったり、自律神経のバランスを崩してしまったりすることから起こります。筋肉の反射反応では、上腹部に多く反応を捉えることができます。
これは胃から小腸のあたりの反応で「水」「熱」という言葉と共鳴現象がおこります。

図のようなパターンが多いようですが、上腹部を中心に起こります。左の図は胃から腸、右の図は胸部から咽に起こった反応です。

夏ばて反応

夏ばて反応



この反応をどう考えるかということが大事です。
水分の代謝が悪くなったり、過剰な水分が入ってきて、胃液が薄まり、消化能力が落ち、体力が落ちているのか、胃の調子から自律神経を刺激し、自律神経に影響されることで、体温調整機能に変化があらわれているのかというようなことですが、通常右側のような反応がある場合、咽や鼻までつながっていることが多く、症状も咳がでてきたり、鼻水がでてきたりすることがあります。またその影響から頭痛が起こったりします。
右の図をたどっていくと、前頚部を左側からとおり、下顎に入って鼻あたりに異常反応が集中します。人によって強く反応のあるところや弱い反応のところはあっても、だいたいこのようなパターンで侵攻していくようです。
これが耳の方までいくと耳鳴りや眩暈が起こったりします。重にこめかみあたりに強くなってくると側頭部の頭痛が起こったりします。ちなみに冷たいものを食べた時に頭にキーンとくる痛みが起こるのはこの経路だと考えられます。いわゆる胃経を通るみたいですが、「気」の反応としては前頚部でも喉仏の側面を通って下顎から鼻、鼻からこめかみ周囲に起こると解釈するのが正しいようです。完全な胃経上を通るのではないようなので、詳細に反応を診ていく必要がありそうです。

頭蓋骨の調整を行う手技がありますが、治療法の選択を気の診断で行った場合、優位診断によって、手足より頭蓋骨の反応の方が強い場合、頭蓋骨調整の手技が下手で問題があっても簡単に調整できてしまうようです。私は頭蓋骨調整の訓練を受けたこともないし、手技がうまい訳でもありませんが、この反応を捉えることができ、優位診断上頭蓋骨が優位なら適当に刺激しても症状が改善し、皮膚張力検査によって、異常反応が減弱又は消失したことを簡単に確認できます。もちろん、刺激は数秒でOKです。

手技の上手い下手は問題ではなく、何の治療法が適応でどういう場所にその適応反応がでているのかということが治療を簡潔にするといえます。
針にしろ手技にしろ、刺激の仕方を問題にすることが多いですが、その治療法に効果があったと認める最初のきっかけは、殆どこのような条件をクリアーした患者をたまたま、手技を行ったことで劇的に変化し、この方法は効果があると確信するのだと思います。しかし、適応のない患者に下手くそな手技を行っても当然効果はありませんので、やっぱり効果がないのかなぁ~と迷ってしまったりするのです。
これは、優位診断がハッキリできていないことから起こる問題で、手技依存しているからだと私は思います。刺激は優位診断上間違いがなければ、下手であっても十分激変というような効果を得ることができます。
つまり、手技が問題なのではなく、それを優位診断する器量が必要だといえます。イメージングと筋力検査法をマスターする方が手技そのものをマスターするより、短い習得期間で、多方面に応用の利く選択権が得られるのではないかと私は思います。

このような夏ばて反応を治療する場合でもいきなり、上腹部に調整をしても効果がない場合が殆どです。鍼灸治療が適応のある治療経気を見つけることが治療効果をあげる早道です。
今日遭遇した患者さんの治療経気は、左肘(曲池あたり)と左足首内側(三陰交あたり)に治療経気が存在していました。治療経気は穴の集団であり、一点とつながりをもつ集団の円経気線が認められ、グループとして刺激しなければなりません。
刺激は鍼先をあてるだけで効果があります。一瞬であり、刺す必要もないので消毒すらいらない状態です。針があたるという程度の刺激で効果があります。
治療経気の順番も重要で足首をやってから肘をやる場合と肘をやってから足首をやる場合では異常経気の消失の仕方が全く違っています。これは針刺激による脳への伝達に順番が存在するということを意味するものだと思います。
鍼刺激はどうして行うのか?
という疑問にもつながっていく課題ですので、研究されると面白いと思いますし、東洋医学が好きになる瞬間だと思います。その前に異常経気と治療経気を明確に診断できるイメージングと筋力検査法をマスターする必要がありますね。

このような異常反応を見つけ、治療経気を見つけて刺激をしても減弱するが消失しないという場合があります。この場合、治療経気が異常反応部位に出現してくることがあります。つまり、手足の刺激のあと、異常経気の部位が治療経気と診断できる状態に変化しているということがいえます。この場合、異常経気部位に刺激をすることで明確に異常部位の異常経気が消失していくのです。このような現象は、明確な条件付けとイメージングができていないと治療は不可能ですが、明確にイメージングさえできれば鍼治療の手技は関係がなくなる程、短時間で異常反応がなくなります。数カ所への数秒の刺激で改善していくということです。もちろん異常経気が消失したから完全に症状が消えるという訳ではない場合もありますが、それは時間とともに変化していくということを物語っているということです。



前回は、「気」の反応としての中立のバランスについて、書きましたが、中立は各関節でも起こります。
中立になると右を向いても、左を向いても変わりのない動きをします。顔を右向けた場合、左向けた場合、同じような動きをしていれば中立ですが、よく観察すると首の上部と下部では違った動きをすることがあります。
頚椎上部に手をあてて、左右を向かせる(上部頚椎のみ回旋させる)と皮膚の張力が違う場合があります。例えば、左を向いた時に左の上部頚椎に皮膚張力が発生する。又は右の上部頚椎に皮膚張力が発生するという状態であれば、普段左を向くときに下部頚椎から下(体幹部を含む)を余計に動かして、左へ振り返っているということになります。


上部頚椎は、回旋運動に関して、大きな働きをしますので、頚椎症や鞭打ちなどの症状に関しては、首だけを調整しても問題が解決しないということになります。何故なら頚椎の異常によって起こった腰椎や胸椎の過剰な回旋運動を阻止しないと頚椎が正常に働かない状態になってしまっているからです。頚椎上部だけを観察する場合、頚椎下部以下の状態をじっくり観察しながら調整を行う必要性がでてきます。

これは、頚椎が一次的に運動障害を起こしたことを脳神経が認識してしまうと、それがショックになり、他の下部頚椎や胸椎、腰椎において過剰な回旋運動が起こるような命令が送られ、頚椎を守ろうとします。損傷の直後の一次的には、この働きはとても重要なのですが、頚椎の損傷が治っているのにもかかわらず、その信号が脳神経から常時送られてしまうと首の動きは制限されたままになり、上部頚椎は運動できなくなってしまい、筋肉の硬化が起こってしまうのです。通常の捻挫を考えればわかりますが、足関節捻挫は、数日間で良くなることが殆どです。頚部捻挫が何故あのように長い時間をかけて固定する必要があるのでしょうか?
単純な疑問ですが、大きな疑問です。長時間固定をするということは、首を守った状態、つまり脳神経系は首を動かしてはいけないと勘違いする時間を多く作ってしまうのです。もちろん骨が折れているというなら話は別ですが・・・。

腰部捻挫(ぎっくり腰)や頚椎捻挫(鞭打ち等)に関しては、初期段階でうまく動かす運動をさせないと後遺症が残ってしまうのは当たり前ということになります。もちろん首の筋肉は、非常にデリケートにできていますので、鞭打ちを起こした直後は、頚椎カラーをつけて、頚椎を固定することに意味はありますが、思ったより早くに頚椎に少しずつ負荷をかけていかないと頚椎の正常な運動ができなくなってしまいます。しかし、脳神経に近いという理由もあり、恐怖感が腰部捻挫より大きく、神経が不安定になってしまいます。この精神不安が鞭打ちを更に悪化させているのですが、医師の指導の下では、頚椎に長期間、負担をかけないようにさせることが殆どであり、これが頚椎の硬化を招き、下部頚椎以下の運動を過剰にさせ、全身へと波及していってしまうのです。こういう身体の事実を知らないで放置しておくと、鞭打ちを起こした直後の状態と同じ信号が脳から送られ続けることになり、神経が不安定になることで、様々な症状がでてきます。これは、首の筋肉が正しく使われないことで硬化してしまい、脳に十分な血液を供給できなくなってしまうからだと思います。
鞭打ちからくる様々な症状は、可動域をよく観察し、正しく動かして、脳神経に動きを妨げなくても大丈夫だということを認識させていく処置をしていけば決して難しい状態にはならないはずですが、今の整形外科的な考えでは、こういう考え方がないので、なかなか思ったような効果がでない、又は、後遺症を起こしてしまうという問題が起こってしまうのでしょう。
このような現象は、足関節捻挫や膝関節症等の関節障害にも多くあらわれ、徐々に姿勢が悪くなってしまい、全身に影響を与えてしまうのです。こうなったら、全身の状態を観察しながらの長期治療が必要になってきます。
しかし、整形外科的には、そういう処置は認められていないので、我々は長期治療が必要になった状態でしか、身体を診ることはできません。 余計なお金と時間を費やしてしまう鞭打ちの治療をもう少し見直して貰えたらと思ってしまいます。
全身を観察しながら部分を診ていかないと、決して問題は解決しないのですが、問題が解決しないからという理由でしか、我々のような実費診療のところへは、来院しないのですから、やるせない気持ちになってしまいます。

関節の中立状態という話に戻すと、左に回旋しにくい状態が起こっていると、右には逆に過剰な回旋運動が上部頚椎に起こってしまうことが普通です。長期化した場合には右も左も回旋しにくいという状態が起こりますが、そうなってしまうと全身症状が更に悪化し、複雑になってしまっている状態ですので、複雑な処置が必要なのですが、そんなに全身への影響が起こっていない場合で、右に回旋しやすく左に回旋しにくい状態の人の全身治療を行い、脳神経系に正しい情報を流してやると、瞬時に左に回旋しやすくなります。再度観察すると、右に回旋しにくくなっているという現象が起こります。当然といえば当然なのですが、 本人が驚く程の違いが起こってしまいます。

つまり、中立ということは一つが動きやすくなれば、他は動きにくくなります。気の中立のバランスのところでも書いたように、一つの大きな異常経気が消失に近い状態になると他の異常経気が余計に高くなったりするのは、そういう理由と同等だと考えられます。
私は、身体の現象と気の反応はマッチしていなければならないと考えて治療を行ってきましたが、この現象はあきらかに同一の現象だと認識しています。また頚椎ばかりではなく、手首の腱鞘炎や長期間の肩凝り等も脳神経系の異常な信号が長期間送られ続けた結果起こったものですので、その信号をうまく調整してあげれば、大きな刺激をすることなく、治療することが可能となるのです。
もっともっとこの事実を沢山の人に知って貰いたいと思いますが、なかなか伝わりませんね。単なる鞭打ちが後に様々な後遺症を残してしまう結果になったりするのですから、恐ろしい話です。
私がいつもいうように、これらは科学的な証明はできません。何故なら脳神経系はまだまだ科学で解明されていない分野であり、追いついてないからです。鍼治療や気功治療は、脳神経系にダイレクトに刺激します。それは人間の感覚を最大限に使う方法だからです。目に見えない力は存在します。その力を利用して、うまくバランスを調整するためにはたゆまぬ努力が必要であり、今日教えたから明日からできるという代物ではありません。
最適な医療を志すものなら、医師、鍼灸師を問わず、このような現象に少しでも目を向けて、日々の診療を行って貰いたいと思います。身体をよく観察する。当たり前のことですが、常識に囚われて、それができていないのが現状でしょう。



中立の状態とはどんな状態でしょうか?

一つの異常点において反応がなくなった状態は全体にとって優位な状態とはいいきれません。部分と全体がうまく兼ね合い、全体的に中立という状態でないと真気は活性しないのではないかと思います。
ただ、ある程度症状を緩和させるというのが、私達の仕事ですので、症状をその日のうちに変化させることができなければ、次にはつながりません。
反応がなくなれば、確かに痛みや症状は消えます。しかし、それが全身に与える影響も大きい場合があり、治療後しんどくなったという話はよく聞きます。まあそれはそれとして、バランスをとろうとしている状態ですので、決して悪い状態だとはいえませんが、ある程度真気を損なうことは間違いないでしょう。

そうすると元々、真気が少ない人の場合、真気を損ないすぎると、治療後にしんどさが大きくなりすぎることも予測されます。 治療過誤、治療のやり過ぎというのにも気をつけなければなりません。ただ、体力が大きく低下している人を除いて、普通の充実度なら、そんなに神経質になる必要もありません。

現代社会で栄養状態が不足しているような人は、あまりいないからです。どちらかというと栄養過多になり、邪実の状態の人や反応が多くみられます。虚損状態の人は、あまりみかけないのが現状です。それでも太っていて栄養状態が良いように見えて、意外に虚証の人もありますので、虚実の判定を明確にしていないとなかなか、その判断を行うことはできないかもわかりませんね。

我々が調整に困るのは、どこを最初に調整すれば良いかという問題があります。症状が出て明確になっている人は、そこを一つの調整点と考えれば良いでしょうが、どこがということもなしに調子が悪いという場合、どこを最初に狙って治療をしていけば良いでしょうか?

また痛みの激しかった人が緩解してきた場合、前回行った治療と同じ治療をしても効果は全くないか、少ない効果しか得られないという場合があります。そして本人は、だいたいの症状がとれたが、まだ残っているというような症状を訴えます。
こういう場合、どこをどう狙っていったら良いのかという疑問にぶちあたります。実はここからが術者のふところの深さが物をいうのです。

こういう場合、まずは気の診断で全体をスクリーニングすることをお勧め致します。

全体の中で、何が一番治療をする異常反応点となりうるか、ということを考えて反応をみなければなりません。つまり症状はどこにあってもそれを調整することが一つのきっかけになるということです。症状のあるところが微妙に残るという場合の治療にも、どこが一番重要な異常反応点となりうるのかというイメージングはとても重要です。このイメージングがないとどうやって治療をしていって良いのかがわからなくなってしまいます。

この場合、体表面から離れた場所をイメージングして、その異常反応の背が高いところを中心に考えていっても良いと思います。体表面から体外へ流出しているような異常反応点を見つけ出し、その最大値のところを調整するということが重要です。最大になっている反応点とつながっている体表面は、全体的にまず最初に狙わなければならない異常反応点だといえるからです。この反応点は、治療が終わると一気に小さくなってしまいます。しかし、その反応が小さくなると同時にまた違うところがあらわれてくるという現象が起こります。これは今までわからなかった反応点であり、最初の時点では予測できなかった反応点です。

もぐら叩きのような現象が起こるのですが、必ずその反応は、最初の反応より範囲が小さくなるか背がひくくなっています。バランスをとるということはバランスを崩した飛行機がバランスを立て直そうとして左右に翼を振っている状態とよく似ています。異常反応が大きければ大きいほど、その傾きは大きくなるのが普通です。バランスは何かと何かの比較がなければなりません。ここでいうバランスは経気の距離のバランスともいえるものです。もちろん、この現象によって関節の可動域や筋緊張も変わります。異常経気のある場所の筋肉や関節は必ず可動域が狭くなっていたり片寄っていたりします。様々な理論も必ず現象が伴わなければ何の意味もありません。異常経気があり、関節可動域や筋緊張がなければ、肉体に変化を及ぼす経気ではないと考えた方が良いと思います。

瞑眩反応もそのような形ででてくることが多いので、一概に瞑眩反応を起こさないように調整しようとしても難しいこともあります。特に邪実の強い場合、平衡を取り戻すには時間が必要なことも多いので、邪実が大きい場合、瞑眩を全く起こさないで、治療をするということは本来難しいことかもわかりません。真気虚損で邪実が大きく、異常反応点の範囲が広ければその影響も大きいと考えられます。異常反応が広いということは、それだけ全身に与える影響も大きいと考えられます。一旦、その異常反応が消去された場合、身体のあちこちに今までなかった反応が出現してくることが予測されるからです。

つまり病態も一つの異常反応があることで、他の異常反応が隠れていて、それが裏側に入ることで何とか中立を保っていると考えると非常にわかりやすく、臨床的にもマッチします。

臨床の現場ではこれだけのことを瞬時に考える能力が求められますが、こういう考えを巡らす訓練を続けていると、症状のあるところだけ治療すれば良いという考え方がいかに、あさはかで、幼稚かがよくわかりますね。これだけ考えを巡らしても、なかなかバランスが取れにくい人もいるのですから、肩凝りの薬で肩凝りが楽になるとか、痛みがあるから痛み止めを飲んだら良いとか、精神的に不安定だから安定剤を飲み、眠れないから睡眠薬を飲むということが単純で馬鹿げたことです。それでもそういう人が後をたたないのは、考えようとする能力が欠如しているからでしょう。そしてそれを他の人のせいにしたがる訳ですから、始末が悪いですね。

そんな方法が社会的には一番重要で科学的な方法だなどと吹聴する人が殆どなのですから、いつから自分の感覚を大事に考えられなくなったのか、不思議で仕方がありません。まあ昔から世につられる人が大半ですから、今の人だけではないと思いますが・・・。

今は情報を集めようと思えば、様々な手段があり、自分で選択する能力さえあれば、何が正しいかはすぐにわかります。それでもそれをせず、漫然と暮らそうと思えば、そういう暮らしもできます。楽な暮らしに流れるのも仕方のない話ですが、それでは何かが足らないと思う人が精神的な病を起こすのでしょうね。精神的な病を起こす人は、敏感な人で、それに気づく方法を知らないだけかもわかりません。そしてそれは誰しも起こることです。私自身にも起こることでもあります。注意していないと突然やってきてビックリしても何が起こっているのか全くわからないという状態になるので、余計に焦ってしまうのでしょう。そこにこれを飲んだら楽になるよといわれて、飲んでみると神経を遮断する薬なので一次的に楽になったかのように思ったりします。そこからが悲劇のはじまりですね。感覚が遮断され続けて、何が異常で何が異常でないか本人はわからない状態になってしまったりします。

感覚を鈍らせれば鈍らせる程、そのツケは後からまわってくると思います。死ぬまでには、もっともっと感覚を研ぎ澄ませて、より敏感になっていく努力をしていないと我々もいつ襲われるかもわからない現代病だと思います。

生死をさまよう思いをしていれば、そういうこともないでしょうが、平和なので、平和が人間の精神を蝕んでいくのでしょう。もちろん平和は大事なことです。戦争は反対です。しかし、そのためには人間がもっともっと敏感にならないといけないと私は思います。

そのためには、いつもそこに死は存在するということを意識していないといけないのだと感じます。

中立の話から大きくそれましたが、中立を保つことはとても難しく、簡単に症状だけなくせばバランスのとれた状態になると考えるのは間違いです。

気の診断によって、最初に大きな反応を消去することは、症状のあるなしにかかわらず、身体を中立にするために必要不可欠な方法だといえます。症状に惑わされないということがとても重要ですし、大きな反応と小さな反応を効率よく消去していくことで中立がどんな状態なのかを肌で感じ取ることができるようになります。

これだけは教えて教えられることではなく、肌で感じることです。気の診断や方法は教えられても、こういうものは経験を通してしか決して学ぶことはありません。



8 月
28
Filed Under (「気」の診断(筋力検査)の考察) by omisono on 28-08-2010

虚実の判定と同様に忘れてはならないのが、気水血の判定です。
気の異常であるか、水の異常であるか、血の異常であるかという判断がその刺激の方法を決めることになるでしょう。

虚実の判定によって補瀉を行う訳ですが、単に真気を注入し、邪気を取り除くという方法だけでは不具合がありそうです。そこには気水血のような質に関する問題が関係してくると考えられます。気の診断はイメージングのシステムです。虚実のみで行おうと思えば、それだけでも十分治療が可能ですが、それに気水血を組み入れるとより深い理解が得られることは間違いないと思います。
深い理解ということは、ひとつの刺激で多数の異常反応を消去できる可能性があるということです。つまり効率がよいということでしょう。理論上の効率の良さと実際の反応の取れ方とは違う場合があります。虚実の判定に邪気と真気の概念を捉えることは、理論上とても効率がよいように思えます。たしかに臨床上もイメージングがしやすくなるのですが、現実的にはそれだけではイメージングが詳細になっただけという点もなきにしもあらずです。
虚実の順位をイメージングしただけでも同様の効果が得られそうです。
臨床上、やってみて、それをどう解釈していけば良いのか・・・。というのが一番重要な点です。

これが最大の問題ですね。理論がしっかりしていても臨床的に不具合があれば、改造しなければなりません。とにかく臨床的に不具合のない理論でないとどんな高尚な理論でも意味がありません。

どうやって気水血の理論を組み入れていくか?
これについては、自分なりのシステムが必要だと思いました。虚実の判定で1~5の段階を作りました。それと同様のことをやって数値化してみたいと思いました。気水血は連続していると考えると、1~10段階ぐらいでいいかなと思います。
1を気の病、5を水の病、10を血の病と考えると、1~10のメモリを置いて、その上を指先でなぞると反応点がわかります。

もちろん、これもイメージングがしっかりできていないとなかなかわかりにくいですが、デジタルでないアナログ的な観察ができるので、5が反応点だとすると、 3か4あたりで徐々に盛り上がり、5で頂点を迎え、6か7あたりで下がっていくという変化を観察することができます。この場合、どこが1でどこが10であるのかをハッキリとイメージングする必要があります。

異常反応がなくなると気のところの1か2あたりでうっすらとした反応がみられるようになるようです。これももう少し観察が必要なようですので、今後、条件によって変更があるかもわかりませんので注意してみていきたいと思います。

全てが中立な状態、つまりバランスのとれた状態とはどんな状態なのでしょうか?
この問題も大きな問題ですね。どこで治療を止めれば良いのかというのが問題点になります。次は中立の問題を少し考えてみたいと思います。



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