Archive for the ‘「気」の診断(筋力検査)の考察’ Category

普段からふらつきがあり、胃のむかつきのある男性

遠隔的な診断を行いました。

まず特徴的な反応としては、気の異常として胸から左上腕にかけての筋肉反応です。気の異常の部位があるということで、天人地という音素を利用して、診断をしても部位的な反応しかでてきません。しかし、骨から皮膚という皮部論を条件に入れて調べると筋肉の反応が活性化されてきます。これらの筋肉異常は呼吸筋である内肋間筋、外肋間筋等を緊張させ、呼吸力を低下させてしまいます。左上腕二頭筋にも反応があることで、大胸筋から上肢の筋肉にまで影響を与えますので、呼吸が浅くなるのでしょう。筋肉の反応だけかというとそうではなく、肺にも若干の反応があります。それは、気管支あたりの反応ですが、AKを参考に脊椎(せきつい)の反射をみてみますと、C5、T2あたりと関係のある反応がでています。つまりC5やT2あたりでは、異常な圧痛が肺系統から影響を受けて反応しているということが確定できます。ただ、この場合、胸部の筋の異常の方がより強い反応ですので、脊椎(せきつい)に対する影響も多数になっているようです。C7、T7、L3、S5という具合に複数の脊椎(せきつい)反射がでていました。

AKは確定したイメージの中でしか脊椎(せきつい)反射の反応をみていません。現実的には、複数の反応が筋肉や脊椎(せきつい)等々と関係しながら存在しているということです。

また神経系にも首の下部あたりで反応が強くなっていました。つまりこの方は自律神経系の異常によりフラツキやムカツキがでているということが、これだけの診断である程度わかります。もちろん他(ほか)にも隠されている反応があると思いますので、確定はできませんが、おそらくは、これらの反応を除去するだけでもかなり身体が楽になるのではないかと思います。

実際に診断し、治療を行いますと、身体が一瞬で楽になりました。宗教医学的には、肉体から仏の反応がでています。この状態なら体調の崩れは少なくなっていくと思われます。ただ、仕事のストレスや様々な要因等で体調を崩しやすい体質ともいえます。何故(なぜ)なら「気」の異常が主体となって体調を崩しているからです。こういう方の場合、気功治療はかなり効果的ですが、基本的な筋力アップをしないと維持できないことが多いのです。基本的な筋力アップとは、姿勢を正し、正しく坐(すわ)り、正しく立ち、正しく歩行することです。ウェイトトレーニングをしても何の効果もありません。というかこういう方が無理やり部分的な筋力を鍛えたりしますと、弊害が大きく、逆に体調を崩してしまうことが殆(ほとん)どです。

AKを基本的に考え、筋肉の状態を観察しているとAKでいわれているような筋肉反射を捉(とら)えることができます。ただ、それだけで臨床的に満足した結果を得られるかというと全くそうではないと考えられます。人間の身体には骨から皮膚までの深さがあり、神経、血管、リンパの流れがあります。また基本的な身体を支える筋肉量の違いがあったり、最終的には意思がどれぐらいあるかによっても全く反応が違ってきます。

こういう細かい診断をすることで、様々な方面から予測することができます。診断をするのに3分とかかりませんし、遠隔的な診断も可能です。また今行った診断のみではなく、多角的な見方をすることで、より鮮明な、その人の体質というのが伺い知ることができるということになります。そこまで考えて筋力検査をマスターしないとなかなかうまくなりませんので、今後の課題としては、それらを効率的に診断できるイメージングシステムの構築を考えています。



12 月
09
Filed Under (「気」の診断(筋力検査)の考察) by omisono on 09-12-2010

優位診断

漢方薬を使って反応を除去する方法

鍼灸の通常の異常経気の反応を除去する方法

の優位診断を行って、漢方的な方法が適応か、鍼灸的な方法が適応かによって治療が可能になります。風邪の反応であっても六経弁証を行い、適応六経(太陽、少陽、陽明、太陰、少陰、厥陰)を決め、その異常経気がどこにあるのかを診断します。

その経気が気水血や寒熱、虚実の何と関係が深いのかも調べます。また治本経気なのか治標経気、局所経気なのかの優位診断をすることで、その経気の性質を把握し、適応する経脈と穴を脈診と経絡触診によって決定します。

風邪でも太陽病としての反応は少なく、深くまで入った反応が多くみられ、少陰まで入っていることが殆どです。腰の痛みを訴えている方が腰に少陰の異常反応がありました。通常なら真武湯あたりが適応となる証だったと思いますが、優位診断を行うと鍼灸治療が適応で、それによる穴で調整しました。左蠡溝(肝経)右章門(肝経)で調整しました。少陰病なのに何故肝経なのかはわかりませんが、反応としてはそれで消失しました。あとは奇経治療で任脈、陰キョウ脈を左側でとり(列欠、照海)少陰病の反応が消失し、腰の痛みが楽になったみたいです。

少陰病の所見としては、やはり腎経や心経を中心に異常な圧痛が出現しますが、お腹や胸部、背部、腰部にも反応はよくでます。手足のみに入っている時はまだましですが、下腹部に入るとやややっかいで、婦人科の疾患をかかえている方は必ず、少陰の風邪反応が下腹部の奥に裏寒として存在しているようです。慢性的な腰痛などもこういう裏寒が存在し、それが消失しないとなかなか楽にならないことが多いようです。それを知らないで痛む腰に湿布を貼って冷却してしまうのでは逆効果ともいえます。

腰から股関節あたりを効率的に動かし、血流を良くすることで、深部の寒を押し出すことができます。姿勢もそこを中心に意識することで効果があがりやすくなりますので、足を閉じる姿勢を指導しました。

漢方薬的な刺激を行うのか、経気として異常反応を鍼治療で調整するのかも優位診断することで、効率をあげることができます。



10 月
26
Filed Under (解剖学的な穴反応) by omisono on 26-10-2010

顔面部の熱反応を調査しています。調査すればする程、耳下から咽にかけての腫れのために様々な症状がでているというのがわかります。またバランスの状態もよくわかります。

顎の先を水平移動させながら左右に回旋するという運動をさせるとよくわかるのですが、殆どの方がこの運動ができません。左右に首を曲げることぐらいは、簡単にできると思う人も多いかと思いますが、頭頚部の運動が不安定になると、正しく振り返ることができないのです。顎の先が上下に揺れながらしか首を向けないことになってしまいます。例えば右を向いた時に顎の先を水平線より上に自然に上げてしまうのを確認することができます。鏡の前でやってもらうとよくわかりますが、検者が被検者の顎を水平に保たせながら左右に回旋運動させると検者は顎が水平移動していないにの簡単に気づきます。


(この図では右下を向いているようなイメージですが、実際には水平線より顎先が上にあがっている。ちなみに右を向いた時に顎先を水平線より下にしてしまうこともある)
これに左右差があるのが普通です。水平移動する場合、右は動きにくいが左は動きやすいという状態になったりします。それでは本人は右が向きにくいことを自覚しているのでしょうか?

殆どの方は自覚していません。痛みもなければ、凝った感じもない場合が普通です。それならどうしてうまく曲げられないのにそれを自覚しないのでしょうか?

実は、首を右横に倒し、身体も右に倒しながら右を振り返っているから不自由を感じないのです。つまり代償運動をしているということなのですが、首を使わないで体幹を動かして振り返っているということになるのです。こういう首の動かし方をしているということは、右を振り返った時、右に上半身が傾き、バランスを崩して生活をしているということになります。腰の位置や左右にかかる足のバランスが崩れるのは当然です。足の外側と内側に緊張したところと弛緩したところができ、常に右足の外側に体重がかかってしまうという結果につながるでしょう。

こういう動きを正常にするように治療を行うと身体全体のアンバランスが少なくなり、頭がスッキリします。頭位軸は、身体全体のバランスと無関係ではないことがよくわかります。

バイクに乗っているライダーがコーナーを曲がる時、頭位軸は重力軸にピタッと沿いながら、身体全体は曲がる方向に倒れているのを見たことがあると思います。これは頭位軸の位置を重力軸に沿わせることで、身体を大きく曲がる方向に倒しても左右の水平感覚を保ちやすくしているということです。もちろん、頭を曲がる方向に傾けても身体が曲がっていなければバランスをとることできますが、一流のライダーが極限状態のスピードで走る時程、頭位軸がズレないようにする傾向にあると思います。そうでなければバランスを崩して転倒してしまう可能性が大きくなるということを身体が知っているからなのだと思います。

バランスにとって、頭位軸はとても大事だということがわかりました。咽あたりの廃熱運動や頭位軸と水平バランスを考えてもわかるように様々な要素が組み合わさって異常を起こしているというのもご理解頂けると思います。しかし、だからこそよく考えると単純に首だけを調整しても良い結果は生まれないというのもわかると思います。

この例のように右を向いた時に右に倒してしまう動きを無意識にしてしまう人は、身体の右側面の異常が顕著にあらわれます。経絡でいうと胆経の経路です。右足臨泣なども強烈な圧痛点としてあらわれてきたりします。足の甲にある臨泣が首の傾きと関係があるというのも信じがたいことかもわかりませんが明確な事実です。

廃熱がうまくいかなくても、首の動きに片寄りがでます。乳様突起や茎状突起の周囲には、三焦経の翳風という穴がありますが、微熱が続いた時に取穴される穴だと聞いていますが、このあたりから耳鼻を結ぶ線上には集中するようです。特に右か左かのどちらかに多く、パターンとしては図のようにあらわれることが多いようです。

一人一人の症状と対応させ、どういう症状の時にどの部分に熱反応が多いかという書き方をすれば良いのですが、視野を広げてこういうパターンで出現しやすいという全体的な雰囲気を掴んで貰えればと思います。どの人を見ても、耳と鼻のラインには、強い弱いは別にして、必ず熱反応が存在しているということです。また右側と左側では上下の差がでています。左目の下あたりに反応のある人は右目の上あたりに反応がでています。そしてどちらかが強くどちらかが弱い。熱も身体の「癖」や形によって伝わり方が違うのではないかということ予測ができます。



咽周囲の構造を見てみると、廃熱するために必要な構造があると書きましたが、下記の筋肉図を見てもよくわかると思います。特徴的なものが舌骨周囲にある筋肉の位置関係です。
舌骨を中心にして肩、胸骨、乳様突起、茎状突起、下顎を空中で操り人形のように引っ張っているようにも見えます。  基本的に舌骨は中に浮いた形になっているので、他の筋肉との接合がなければ落ちてしまいますが、頭蓋骨の底部、下顎、胸骨、肩甲骨を操っているようにも見えます。 そこで、坐位で舌骨に軽く触れ、舌骨をイメージングしながら皮膚張力検査を行うと、舌骨が中心軸に対して、どの位置にあるのかを診断することができます。舌骨の位置によって、下顎、頭蓋、胸骨、肩甲骨の状態がわかれば、どちら側にどんな緊張があるのかを簡単に見極めることができるということになります。 例えば、舌骨の左側が下がっていたとすると、茎突舌骨筋や顎二腹筋の後方が引っ張られた形になります。つまり、茎状突起や乳様突起付近は筋肉が引っ張られて緊張したように感じられるのです。一般的には緊張しているという表現は筋肉が収縮していると感じる方があると思いますが、実際には、引っ張られた筋肉が硬く緊張しているように感じられます。収縮して緊張しているように感じるのは余程縮んでいる時だけです。そこまで縮んでいると対になっている筋肉はパンパンになっているはずですので、そちらの緊張の方が強いと感じるはずです。 弛緩している筋肉が緊張しているというのが実際には正しい観察ですので、舌骨が左へ下がっているように思えば、その上の顎二腹筋や茎突舌骨筋は引っ張られていることになり、緊張しているように感じられるという訳です。 逆に肩甲舌骨筋は縮んでいるので、感覚的には緊張しているとは思わないのが普通です。舌骨を観察するだけで、首や肩まわりのアンバランスをこれだけ観察することができるのです。しかし、舌骨は左右の傾きだけではなく前後に移動したり、片側だけが巻き込むような形になったりします。右に巻き込むような変化をしている場合、顎二腹筋や茎突舌骨筋、肩甲舌骨筋は全て弛緩し、緊張しているように感じられるという訳です。舌骨を中心にして、片側の前頚部を四つの区画に分けるとその様子がよくわかるかもわかりません。例えば舌骨の左後側の上下が緊張しているように感じられたら、舌骨は右に巻き込んでいると解釈できます。これをトリックモーション検査法で行うと一瞬で判断できますので、この診断も時間がかかりません。また条件付けとして、一番緊張している区画という条件を与えれば、その方向に一番緊張(引っ張られた緊張)があると考えられるのです。

面白いと思いませんか?




こういう診断は、カイロプラクティック等の方法で診断すると診断するだけで、かなりの技術がいるはずですが、トリックモーション検査法なら一瞬です。

そして、舌骨の位置と肩甲骨の位置を観察すると肩の痛みが舌骨の位置とも深くかかわっているというのがわかります。つまり、肩の痛みに対して、咽の状態を観察するというのは常套手段であり、必要不可欠な診断だといえるのです。それを行わないと正しい結果は得られないのです。 位置関係をしっかり把握するという方法は臨床上とても重要ですが、それを可能にするのもイメージングと筋力検査があってこそです。舌骨を少しでも強くおさえると患者さんに不快感を与えます。最初は実際に触診して診断した方がわかりやすいのですが、この触診の仕方にちょっとコツがあります。軽く触れる程度、又は全く触れないで診断する必要があります。軽く触れるというのは皮膚と指先が触れるか触れないかで診断できなければなりません。そのためにもイメージングがしっかりしていないとうまく診断することができないということになるのです。

区画に複数の緊張がみられる場合、どれが最優位なのかを考え、どの方向の筋肉がひっぱられているのかをイメージしなければなりません。

トリックモーション検査法なら、まず左右で優位診断し、左なら左の区画を再度優位診断します。そして1~4までを再度優位診断すればわかりますので、数秒で診断ができます。

顎の位置が全体的に前にでている場合、どこが一番緊張しているのかを判断するのはとても難しくなります。このような場合もトリックモーション検査法で最優位を決めれば簡単に決まります。ただ条件付けだけはしっかりと行って下さい。



10 月
19
Filed Under (「気」の診断(筋力検査)の考察) by omisono on 19-10-2010

何が異常なのかを見極めるというのは、とても重要なことだと以前書きました。

今日はどこも症状はないですという方が来られた時、あなたならどうしますか?

また、症状は80%とれたが、20%残るという方の次の一手はどうするのか?

視点を変えないと、この問題は解決しませんが、なかなか視点を変えることができなくて、苦しむことがあります。何が異常なのかというのを症状だけで判断しようとしても、なかなか本当の問題点というのはうかびあがってこないので、私は基本的に東洋医学の気水血や虚実、寒熱といった単純な音素で病態を把握しようとしています。単純な病態を把握しておくと基本的な異常の成り立ちがよくわかります。

膝の痛みを訴えてきた人があるとします。しかし、それは膝のどの状態の異常なのかというのも問題にできます。例えば、筋肉の問題なのか、骨の問題なのか、「血」の流れが悪くなっているのか、リンパの流れが悪くなっているのか、またはそれらの複合なのかということを問題にできると思います。どの深さに存在しているのかという問題ですね。

そこで「存在」という言葉を条件にして、その位置を調べてみるということをやってみようと思いました。「血」の異常が存在するのは、「骨」であり、「筋肉」でない場合、または「筋肉」の反応が薄く、「骨」の反応が「筋肉」より強いという状態を観察しました。変形しはじめている膝の痛みですから当然といえば当然なのですが、変形性膝関節症の初めは、「血」の異常が骨にあらわれはじめてきたところからはじまるのではないかと想像できます。つまり最初は炎症があり、「水」の反応が筋肉や腱、靭帯に強くあらわれ、「骨」の反応が「筋肉、腱、靭帯」より弱く現れ、変形し初めから「血」の異常が骨にあらわれるのではないかといえます。

「存在」だけを条件にしても、その「影響」は計れません。影響と共鳴は全く違う意味があります。

気水血のみの条件に固定し、その存在(existence)、共鳴(resonance)、影響(influence)を調べカルテには、存在(exi)、共鳴(res)、影響(inf)と記しておきます。日本語で書くとどうしてもグチャグチャになってしまうので、英語の方がカルテの場所をとらないので良いかと思います。画像に筆記するので、少しでも場所を節約したいので、そうしました。時間も節約できるので好都合です。

影響と共鳴は基本的に違いがあります。影響は存在から影響を受けている反応であり、「血」の存在から「水」の影響が起こることもありえます。しかし、共鳴は「血」の存在と共鳴するところなので、同じ性質のものが違う場所にあると考えられます。

この考え方は、治本、治標、局所の考え方と類似しますが、治本、治標、局所は言葉の意味がわかりにくいという欠点があり、経絡治療では、治本のことを本治といいますし、治標のことを標治といいます。このあたりで誤解を招いてもいけないので、存在、共鳴、影響という言葉を用いて診断するという方法を考えました。

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10 月
19
Filed Under (解剖学的な穴反応) by omisono on 19-10-2010

前回の記事では、廃熱について書きましたが、熱が関節の運動によって、熱を逃がしているという考えでした。これらは、何度も何度も圧痛を確認し、圧痛の出やすいところを探り、その圧痛を刺激することで症状の変化を捉えてきたものばかりなので、間違いはないと思うのですが、今まで何度も書いてきたように単純に刺激するだけでは、効果が薄いといえます。関節の構造を理解し、このような経路があり、その関連系を刺激しているとイメージングしながら、圧痛点を刺激しなければ、正しい効果があらわれません。

肩関節の痛みが咽や頭蓋骨底部の異常な熱によって起こるといわれても、信じがたいところがあると思いますが、現実にそれを刺激することで、多くの変化が起こるのを目の当たりにしてきました。肩の痛みがあるから肩が異常だと考えるのは、どうしても腑に落ちません。痛みのあるところしか問題にしないのは医療の衰退につながると思います。それは、関節の痛みについてだけいっている訳ではなく、内臓の変調にも当然かかわってくるといえます。

熱を肩関節の動きで廃熱しようとしても肩関節が正しく動いていない(熱が貯まるような動きしかない)場合、痛みを起こすだけでなく、胸骨や肋骨、脊椎にまで影響を及ぼします。下図の経路は主に圧痛点のあらわれやすい経路といえます。経絡だけではなく、廃熱運動における経路という訳です。特徴的なことは、一つの骨を熱が伝わっていく場合、直線的に伝わるのではなく、捻れを伴いながら伝わっていくということです。経絡も異常を起こすと蛇行したり、幅の縮小、拡大が見られたりしますが、廃熱運動経路も同様に蛇行、幅の縮小、拡大が見られます。これは関節の構造上そういう伝わり方をするのだと思います。経絡の蛇行や幅の縮小、拡大も決して無縁ではないと思います。



幅の拡大したところは、普通に圧痛として確認しやすいところですが、イメージングをしっかりしないと、この経路の詳細は把握しきれません。

前回の記事のように肩甲骨が外転上制すると対側の足に重心がかかると書きましたが、この体重移動は重力に対して垂直な力ではなく、捻れるような形で波打つ力となっています。つまり、体重のかかり方に過不足が起こりやすいということです。単純に右足に荷重されているのか左足に荷重されているのかという測定では、あきらかにできない問題です。捻れを起こした体重は、足の裏の後方(踵側)外側に力がかかると思います。踵を中心に考えると後外側にかかった力とは反対に足首内側から母指方向にも力がかかりますが、ご存じの通り、土踏まずがあるので中足骨付近の一点には力がかかりますが、足の指がうくような形になり、本来の体重移動とは違う力がかかってしまうので、左右の体重配分という形では割り切れません。(左右に体重計を置いて重心を見極める方法がありますが、これはあまり意味があるとは思えないということです)

重心の捉え方は、3次元的に捉え、前後左右上下で全体的にどういう重心かということを考えなければなりません。そうでないと、私が以前から言っていますが、最初から背骨が曲がっている側弯のような人はどうなるのか?
経年劣化で曲がってしまった人も同じ重心にならなければならないのか?
という疑問が起こってしまうからです。バランスとは、その人にとってより最適な重心をとれるかどうかです。あまり無理強いすると余計に身体に痛みを起こしてしまう結果になってしまいますので、ポイントだけ抑える必要があるということです。

関節で廃熱するという考えは、関節が正常に機能していないといけません。五十肩の説明のとおり、熱を受けすぎ、関節の構造に変化が起こってしまった場合、関節で熱を逃がすということができない状態になってしまいます。こういう場合は、バランスをとってもすぐに痛みがなくなる訳ではありませんので、経過観察が必要になってくるのですが、強烈な痛みは、治療後もやや沈静化するぐらいが普通です。しかし、このやや沈静化という状態が後々非常に良い結果を生むことになるのです。

咽や歯周組織で起こった熱は肩にまで伝えられ、全身に伝わると書きましたが、肩に伝わると重心に変化が起こりますので、全身に影響を与えるというのは今まで説明したとおりですが、全体の体力を上げようと思った場合、咽や鼻、耳、歯周組織等々の口腔や鼻腔などに炎症を起こさない注意が必要といえます。つまり「風邪は万病の元」ということをいっているのです。

口腔や鼻腔は外界にさらされ、細菌感染やウィルス感染の発生場所となっている訳ですから、ここで炎症が起きなければ、全身への影響は限りなく少なくなるといえる訳です。頭寒足熱は、そういう原理から起こった理論です。足を冷やさないようにすることは、頭頚部への熱を引き起こさないようになるということです。足の循環が良くなれば、余分な熱が頭に貯まらず、全身の循環が良くなることで、感染を起こしてもそれが全身に影響を与えず、局所だけに留まって、やがて治まっていくという意味でもあります。

これを昔の人は、頭寒足熱とか風邪は万病の元といった表現で伝えたかったのだと思います。素晴らしい考えだと思います。

特に何ともいえないようなジワジワ続く関節の痛みなどに関しては、身体が冷えると余計に酷くなりますが、それはこのような構造があるからです。痛む局所だけ観察しても何の成果もあげられません。ましてや湿布をベタベタ貼ったところで解決の目処がつかないのは当然です。

10枚ぐらい湿布を貼って、来院される方がありますが、湿布も薬剤であり、皮膚からも吸収されます。だいたい5枚貼ると1錠飲んだことと同じぐらいの効果があるとされますので、10枚貼れば、2錠飲んだことと同じで、ゆっくり皮膚から薬剤が吸収されるということは、常に薬剤が全身に浸透するという結果につながり、皮膚にもダメージが考えられます。身体の状態から考えると常に異物を脹り続けることで関節可動域も変化し、何の効果もないどころか、害になっているともいえます。

湿布を剥がした瞬間に楽になったという人もいましたし、何よりも10枚貼って、2錠飲んだことと同じ状態になり、そのうえ痛み止めを飲んでいたら、消化器系の粘膜がやられて当然ともいえます。年間で数人は、消化管出血ということで死亡することもあるともいわれています。

湿布といえども薬剤には違いないので、誤った使い方をすれば命に関わることになるということも知っておかなくてはなりません。ただ、痛みがあるからそうしてしまうのであって、痛みがなくなれば、そんなことはしなくなるということです。そんなふうにならないように指導してあげることは我々の努めだと思います。

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10 月
16
Filed Under (解剖学的な穴反応) by omisono on 16-10-2010

乳様突起の前に小さな突起が脳底にあります。乳様突起のところで示したように廃熱されるために必要な突起だといえます。

この茎状突起と結ぶ筋肉は舌骨という馬蹄形の骨で、甲状軟骨の上に位置した骨とつながる茎突舌骨筋、咽頭部とつながる茎突咽頭筋があります。

この事実から考えると頭蓋から廃熱された熱が舌骨と咽頭部に伝わるということです。乳様突起部周辺で圧痛が起こると舌骨や甲状軟骨にも必ず圧痛が起こります。爪先で軽くつっつくように刺激しても痛みを感じたりするのです。噛み合わせが狂うと頚椎の3番から4番あたりと舌骨に変位が起こるといわれていますが、単純に位置関係から起こるだけでなく熱の出入りということから考えても、その変化が起こることは正しいといえます。


つまり、頭蓋骨で起こった熱を乳様突起や茎状突起の先端から筋肉を通して咽や胸部、鎖骨部に伝え、冷やされることで、直接脳の熱があがり過ぎないようにするために熱を機械的な構造で変換しているということです。だからその中のどの位置関係がおかしくなっても、これらの器官には影響がでるといえる訳です。噛み合わせの異常は、歯だけの異常ではないということを物語っているのです。また鎖骨に伝えられた熱が大きすぎると、鎖骨を通って、肩甲骨や肩関節にまで到達します。これもトリックモーション検査法によって確認できますし、圧痛を観察してみても鎖骨から肩甲骨の外側に異常がでているのを確認できます。

歯のかみ合わせによって五十肩が起こりやすくなるのは、このためだと考えています。骨に熱が伝わり、その熱を関節の機械的な運動によって、循環させる働きがあると言う訳です。

鎖骨内端に熱が伝えられる時の圧痛の出方に注目すると、鎖骨全体に圧痛がでるのではなく、鎖骨内端の前方と鎖骨中央の後方、鎖骨外端の前上方に圧痛が出現するという事実があるからです。つまり鎖骨の内端と外端で対角線上に捻れをおこしながら機械的な運動に変換されていくということを意味しています。

つまり、熱が鎖骨に伝えられ、肩鎖関節、胸鎖関節の捻れに伴う運動に変換されることで肩甲骨に伝わり、身体全体で廃熱しようとしているということがいえると思います。肩の痛みを訴える人には必ず患側にこのような鎖骨の圧痛が出現します。酷い状況になればなるほどその範囲が大きく、少し触れるだけでも強い圧痛を感じたりするのです。そうすると肩甲骨は外転上制するような形になり、猫背の状態になってしまい、肩甲骨の動きが徐々に制限されてくるということになります。肩甲骨がロックすることで、上腕を90度以上あげることができなくなってしまうということになるのです。通常でも肩甲骨を手でロックさせると上肢は90度弱しかあがりません。これは関節の構造上そうなっているのですが、90度以上は肩甲骨の運動が連携していないとあがらないようにできています。



立位で右肩甲骨を左手で固定し、右肩を90度近くまで上げた時の右足への体重の変化を観察すると若干右足にかかる感じがしますが、左手の固定をゆるめ、肩甲骨を僅かでもあげた瞬間、右足への負荷は大きくなり逆に対側の左足に重心が移るのを確認することができます。

これは、肩甲骨の位置が全身に大きな影響を与えているということを物語っています。つまり、肩甲骨の動きの状態によって、全身に運動が起こるという訳です。

肩甲骨の運動の影響はだいたい胸椎の4~5番あたりと肋骨に伝えられます。肋骨から胸椎に伝わった動きは僅かな捻れを起こし、身体を対側へ捻る動きが起こります。つまり右肩甲骨を外転上制すると体幹を左へ捻った時と同じ体重移動が起こり、対側の左足に体重がのっていくという状態に変化します。肩をあげただけでは、右足にしか体重がのりませんが、肩甲骨をあげた瞬間に左へ体重がのるという訳です。

ここまでハッキリとした変化があらわれると胸骨の中央に圧痛が起こり、心臓や肺との関係が中心となってくるように思います。そうすると夜間痛が酷い五十肩様症状がでてくるということになるのですが、これは、循環系に影響を与えるからでしょう。

ご存じのとおり夜間痛は、うずくような痛みで耐え難いものですが、これは、血管が収縮したりするときの痛みに似ていると思います。偏頭痛などの筋肉性の頭痛などもこのようにズキズキとうずくような痛みですので心臓や肺、大きな動脈や静脈の変化と捉えることができると思います。

このような観察ができるのはトリックモーション検査法を利用した「熱」イメージでしか行えないと思います。構造と筋力検査で検出される結果を考え、臨床に役立てるというのは私の考えの中ではとても重要な考えなのです。構造と反応という観点から人体を捉えるということは今まであまり行われてこなかったことだと思います。

この理論をもっと発展させたいなと考えています。

このブログに書かれた内容は、私独自の考えなので、これらの文章は転載禁止とします。転載希望の方は、一言、メールでお知らせ頂き、御薗治療院のブログからという記述を加えて頂きたいと思います。



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