皮膚は人体最大の外部臓器
皮膚は、人体最大の外部臓器です。皮膚の重さは3キロ、真皮を合わせると4キロもあります。最大臓器の肝臓、脳よりも大きいということです。薄さは1/100mmから1/50mmで湿度によって、この厚さを維持しています。また皮膚は電池の役目も果たしています。100ミリボルトの電圧があり、10人集まれば1ボルトという計算になる訳です。人から電力を得て機械が動くという設定の映画がありましたが、テスラの発想を発展させ低電圧であっても空間上を送電するようなシステムが開発されたら人間の身体から電力を取り出すということが現実的にありえるかもわかりません。
また、皮膚の切片を感情や気分と関係するCRH(コルチコトロピン放出因子)とか末梢神経から放出される神経ペプチド、サブスタンスPを培養液に入れると電位が変化するのです。そしてケラチノサイトは、ホルモンや神経伝達物質を合成、分解機能の全てを有しています。カテコールアミンの一種であるL-ドーパ、ドーパミン、ノルエピネフリン、エピネフリンといった物質の一連の代謝を行うことができるのです。またその受容体自体も皮膚から見つかっています。つまり皮膚は、脳そのものともいえるものなのです。
痛みも神経を介して脳に伝わるのではなく、実は皮膚が感じ取り、それを脳に伝えるという仕組みがあるということもわかってきました。また驚いたことに、皮膚には、感情の変化や意思、思考といったものと関係するホルモンを放出したり受容したりする機能があるというのです。音楽で感動する時は、脳ではなく、まず皮膚で感動しているともいえます。音によって皮膚の電位を変化させたり、神経伝達物質を放出したりすることができるということです。

つまり、鍼で機械的な刺激を皮膚に行うことによって、電位があがったり、下がったり、ホルモンを分泌し、感情にまで影響を与えることができるということなのではないかと思います。
もしそれができるのなら、鍼刺激が、様々な病気を治癒させる可能性は否定できません。痛みを取るだけでなく、内臓疾患や精神疾患にも効果がある可能性は否定できません。皮膚を刺激する治療というのはこれからもっともっと研究されて良いのではないかと思います。
これらは新しい発見ですので、今後異論がでてくるかもわかりませんが、この実験結果は、私の研究とも合致します。どんな痛みでも皮膚がそれを感知しているとしか思えないようなことが起こっています。皮膚膜ぐらいにしか到達しない程の軽い鍼刺激で除痛したり内臓疾患をも治癒させることができるのは、皮膚そのものが痛みを感じ取り、神経に伝え、脳がその刺激を介して、筋肉等の全組織に情報を伝達しているように思います。除痛するだけでなく、皮膚自体も柔らかくなり、しっとりとしてきます。一本の鍼刺激が人体に与える影響は計り知れません。
また神経が伝達する速度より速く、筋緊張が緩解しているようにも思います。実は、鍼を皮膚に近づけただけでも緊張が緩解することがあるのです。皮膚の周囲の空間上にも電位の変化を察知して感じ取る機能があると私は考えています。
またそれを可能にしているのは、治療をしようとする意識が皮膚の電位を変化させ、空間電送するようなシステムが皮膚全体から自動的に働き、患者の皮膚がそれを受け取ることで変化させているのではないでしょうか?
気功治療とは、そういうエネルギーの伝達だろうと思います。つまり、思考したり、意識したりすることは、脳だけで起こる現象ではなく、皮膚全体で電位の変化として起こり、何らかの方法でそれを患者が情報として受け取るようなシステムがあるということだろうと思います。
これが事実なら、鍼灸師は、もっと意識や思考ということを考えて、施術する必要があると思います。私は、以前から意識はエネルギーであるという理論を唱えていますが、それを証明してくれるような働きを皮膚はしてくれているように思います。脳だけで思考するエネルギーでは、電位が低すぎて相手に伝わりにくいので、接触という行為が絶対に必要となってきます。しかし、皮膚電位を使って身体全体で発動するエネルギーは、それだけで周囲を巻き込んで振動させるエネルギーになることができるのではないかと思っています。
意識が人を変化させ、思考がそのベースを作る。それは意外に強大なエネルギーとなって皮膚を介して何らかの理由で周囲に伝わるため、相手の皮膚電位をも変化させ、状態を変化させてしまうエネルギーになる。このような仕組みが存在しているからこそ気功治療という治療法の効果があるのではないかと思います。気功治療は、心理的な作用という人も多いと思います。しかし、何のエネルギーも働かないのに心理的な作用が起こるはずもありません。心理的な作用を起こさせる何かの働きがあると考える方が科学的だろうと思います。現象が起こっている訳ですから、それを機械で計れないという理由で、非科学的だとするのは科学的ではありません。
鍼治療も実は、気功治療そのものであり、意識することによってその刺激の伝わり方が違う。だから同じ場所に刺激しても術者によって効果が違うということだと思います。それを逆手にとって、客観性がないといってもはじまりません。条件が違うのですから、仕方がないことなのに、それは科学的でないと否定するのはどうかと思います。
飛躍しすぎるところがあるのは否定しませんが、私の治療のように離れて治療し、しかも触れてもいないのに相手の身体が変化するという現象がある限り、解明してもらいたいと思っています。それを科学的に説明できない限り、似非治療だと否定することはどう考えてもおかしいと思います。この現象を説明する何かの足がかりが皮膚には隠されているように思っています。その手助けになってもらえればと思っています。