10 月
15
Filed Under (解剖学的な穴反応) by omisono on 15-10-2010

身体の構造から穴を考えたり、解剖学的な位置関係から穴を考えるというのは、よくある話だと思います。それは、穴の教科書を見ると神経や筋肉の走行や場所が書かれていたりすることでもわかります。しかし、その奥の位置にある器官については、書いてありません。穴のある位置の奥にある骨や内臓に何があるのかというのは、イメージングを利用した治療ではとても重要な意味があります。

例えば「熱」の条件で頭頚部を調べると反応の起こりやすい部分があります。図をご覧になって頂くとわかりますが、ここは「熱」という条件を付けてトリックモーション検査法(TM)で調べた反応点です。



またトリックモーション検査法で調べただけでなく、このあたりのポイントに数回鍼先を当てる程度の刺激で頭がスッキリしたとか肩や首の緊張がなくなったという症状の変化が起きたところです。一番ハッキリしているのは、顔や頭が熱っぽい感じがあったのが一瞬でなくなったという感覚を得たところでもあります。つまり、ここを刺激し、「熱」が分散することで、「熱」からくる首や肩の緊張、頭の痛み、目の疲れ等々がなくなったといえる場所です。

このポイントを見ると(右図を参照)縦方向と横方向にポイントが集まっているところがあるように思えます。線を引いてみると水平横断面では、耳の中心から耳の下あたりに集中し、縦方向で耳前あたりに集中していることがわかります。

それでは、この部分には何があるのでしょうか?

脳神経では、延髄、橋が位置すると思います。wikiペディアに簡単な図がのっています。

脳が回る図がのっていますので右の図と照らし合わせると鼻から耳にかけてのライン上に位置しているのがわかります。それでは主な橋の作用は何でしょうか?

呼吸のリズムや深さを調節し、また目や顔を動かす神経がこの部分から出入りします。橋に障害を生じると、物が二重に見えたり、嘔吐します。また、食べたものをうまく飲み込めなくなったりし、また顔が歪んだりします。

橋の下には延髄があります。主な作用は?

くしゃみやせきをすることによって気管への異物の侵入を防いだり、無意識に食物を噛んで飲み込む運動を行ったりしています。また、呼吸や血液の循環、発汗、排泄などを調節する中枢もここにあります。延髄に障害が起こると、呼吸や血液循環などの生命維持機能に障害が出るため、呼吸麻痺などの非常に危険な状態になります。

橋や延髄には呼吸や発汗、排泄に関する中枢があり、生命維持に欠かせない機能が揃っているということです。この位置に「熱」反応が起これば、神経は正しく機能しないということになるのではないかと思います。何故なら神経も電線と同じで「熱」によって抵抗が起こるからです。「熱」による抵抗が起これば、抵抗による「熱」が起こることになるのだと思います。こうして「熱」の悪循環が起こっているように思えます。

また側頭骨の形状から耳下の後ろには突起があり(乳様突起)、乳様突起の前に茎状突起という突起がでています。この突起は何故でているのかを考えた一つの考察があります。

それは、頭部は沢山の血液を使い、当然「熱」を帯びやすくなります。その熱をどこかへ逃がしやすい形を作る必要があったということです。しかも頭頂方向ではなく、頭蓋下部から首に逃がし、大循環に乗せて冷やそうとする働きがあってしかるべきだと考えられます。はんだごてをイメージして貰うとわかりますが、熱は先の尖ったところに集まりやすいので、きっと茎状突起の先端や乳様突起の先端には、はんだごてと同じように熱を伝える働きがあるのだと思います。また乳様突起には胸鎖乳突筋という首の中では非常に重要な働きをする筋肉が鎖骨や胸骨にくっついています。乳様突起付近で熱の反応を確認すると、鎖骨内端や胸骨上部にも圧痛がでます。これは乳様突起から胸鎖乳突筋を伝って胸骨や鎖骨まで異常が伝わったと考えられます。



軽く指先でトントンと叩くと、響くような圧痛があり、左右差があります。例えば左の乳様突起下に熱反応があると、同調するように、左鎖骨内端と胸骨の上部で鎖骨内端と接合する部分にこのような圧痛がでるのです。当然ですが、この場合、左乳様突起にも同様の骨に響くような圧痛が起こります。熱を筋肉を通して逃がしていると思えるような反応だと思います。

熱の出入りはとても大事で、イメージングによるトリックモーション検査法によって、熱の所在場所を特定し、それを刺激しつつ、首や肩の動きを観察することはとても重要です。特に噛み合わせを調整するような場合、耳の前には顎関節があります。ここも熱の伝わりやすいところです。ここに起こった熱が顎の先端や下顎角あたりに熱が伝導するでしょう。角や突起のある部分は形状的に熱が貯まりやすい構造をしているという特性があるといえます。

刺激をする適応のある部分と形状的な構造が一致しているというのはとても面白いと思います。頭頚部だけを見ても、他にも沢山類似するところがあります。頭位軸を考えただけでも様々な反応点と刺激点があり、これを刺激することで、首や肩の動きが変化しますが、それに伴い足や腰の全身に影響を与えるのがわかります。

頭頚部を観察しただけでも全身が対応しているということの現れだと思いますが、そういう話は高麗手指針や耳鍼、夢分流等様々な局所と全身が対応している場所があるというのと変わりはありません。

カイロプラクティックの世界でも環椎後頭関節を調整すれば全身が調うと主張する人もいるので、一つの局部が全身と対応しているというのは事実だと思います。

そして、それは、頭頚部や耳、手、お腹、だけにあらわれるのではなく全身の各所にあらわれるはずです。どんなところにでも全身が反映した図を確認することができてしまいます。気を拡張させて診断をするとどのような場所にも全身と関係のある穴が出現するということです。肘にも膝にも腰にもです。またその局所には十二正経が規則正しく配置していたり、内臓の図が観察されたりするのです。そしてそれは観察者の目によって配置が大きく違ってきたりします。これは相対的なものであり、配置が違うから間違いだとはいえないのです。耳鍼をみてもわかるように色んな説があると思います。ノジェの図だけではない反射図が他にも色々あるのは、それをあらわしていると思います。

私が常日頃からいっているように、その人のバックボーンに何がある(基本的な考え)かによって変わってくるということです。考えたら驚きだと思いますが、常に相対的なのです。

面白いと思いませんか?

その人のバックボーンが複雑であれば、詳細な図が現れ、そうでなければ単純な図が現れてきます。しかし、全ては間違いではないということです。イメージングをしながら、関連臓腑や関連経絡を局所に刺激できるのです。ただ明確な条件付けが必要だということには違いはありません。

東洋医学は、そういう面白味を持っていますので、初心者であっても当たれば大きいともいえるのです。コンスタントに的に当てようと思えば、やはりバックボーンの複雑さが要求されるということになります。

このブログに書かれた内容は、私独自の考えなので、これらの文章は転載禁止とします。転載希望の方は、一言、メールでお知らせ頂き、御薗治療院のブログからという記述を加えて頂きたいと思います。



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