Archive for 9 月, 2010

9 月
29
Filed Under (「気」の診断(筋力検査)の考察) by omisono on 29-09-2010

最近、胃の反応がでている人が多いのと肺の反応が多いようです。急激に寒くなったりして、風邪をひいている人が多くなったのだと思うのですが、咽や鼻に風邪の反応がなくて、肺の反応だけがある人も多いです。今から侵攻しようとしているのかわかりませんが、いわゆる邪気が肺から気管支、咽、鼻周囲に反応があるのだと思います。また胃腸(胃のみではなく十二指腸付近にも)反応があり、咽までつながっていることもありますが、胃腸のみの反応で症状が咽だけにでている場合もあります。

邪が肺に入ると咽の違和感や咳や痰等の呼吸器系統の症状がでたりしますが、肺に入っていても何も感じない人もあります。これは、身体が邪気を細菌やウィルスとは別の考えで扱っているということでしょう。しかし、細菌やウィルスの条件で筋力検査をすると反応があるのです。不思議なことだと思いますが、事実です。前触れのような反応なのだと思いますが、O-リングテストを行っている先生達も同じようなことを書いておられますが、実際の検査では全く問題がないのにO-リングテストでは問題があるようにでるということはあり、それを調整するような漢方薬や刺激を加えると症状が緩解するというようなことをおっしゃっています。

これについては私も同感なのですが、だから細菌感染があるとかウィルス感染があるとしても良いものかどうか?

これについては疑問に思いますし、科学的な検査によってわからないものを反応で拾う場合、あくまでも反応上という形で処理した方が良いように思います。そういう反応がかなり多いので、常識的でないことがO-リングテストの疑問点という形になっているのではないかとも思うのですが・・・。

邪の反応があるからそこに何らかの炎症等があるのかといえば、そうだとは限りません。「邪気」の反応として存在しているのみで、肉体的な反応ではないという段階があるのです。しかし、この邪気が問題で内臓の調子が悪くなっている場合というのもありえます。つまり、何らかのきっかけ(ここでは邪気のことを何らかの影響を与えた原因)が元で、説明のつかない症状が起こっていると考える必要があるということです。例えば胃に腫瘍があると科学的な検査で確定している人であっても、それに影響する何らかのきっかけがないと症状がそうすすまなかったり、小さい腫瘍だったものが何らかのきっかけが大きいために急激に進行していったりということがありえるということなのです。

肉体は精神の鏡ですが、「気」の反応があるとそれが原因で肉体に影響を与えます。一番簡単にわかる肉体の反応は圧痛でしょう。軽く指先で触れるだけで圧痛を感じたりするからです。また、関節の可動域もよくわかる反応です。右は動くが左は動かないという形になったりしますが、「気」の反応が消失すると、左右の動きが良くなりますので、それが問題だったとわかります。それでも「気」の反応のある場所は何の症状もないということも多々あります。症状のある場所が原因だと思い込むのは、術者の観察が幼稚だからです。

科学的な検査法ではわかりえない何らかのきっかけを見つけ、それを対処するだけでも実際のものに大きな影響を与えることがあるので、それをうまく処理することができれば、もっと患者さんの負担を軽減できるのにと思うことが多々あります。腫瘍があれば、それを完全に消し去らないといけないと考えることも人によっては間違いであったりしますし、うまく共存できる可能性を完全否定して、死ぬまで癌と闘い続けさせ体力を消耗させてしまえば、結果はわかっていることだろうと思います。簡単な検査と見方を変えることで、少しでも楽になるなら、その方が良い場合もあるでしょう。難しい問題ではありますが、そういう選択枝を模索していくことこそが、今後の治療を発展させていく方法だと思ってしまいます。

感覚を頼りにして、経験を積んでいく訳ですが、あきらかに変化したというのがわかるとその関連性がよくわかります。

精神から肉体へ影響するものは、自分自身が悩んでいることがあるからという理由だけではありません。例えば部屋の形や置いてある物によっても影響をうける場合があるようです。これを電磁波の影響としている人もいますが、電気が発生しないものでも起こる可能性があるので、様々な物が肉体に影響を与えているようです。この研究は最近やりはじめたばかりですが、生活環境という条件付けで上中下で反応してきます。

寝室も関係あるようですが、細かく分別しつづけるとそれに嵌ってしまいますので、全体を見られなくなってしまうこともあるので気をつけなければいけません。肉体に及ぼす一つの影響として考えて、それが一つの原因である可能性を示唆することはできます。

しかし、自分の身体が最大限の活性度を示せば、それらの影響は受けにくくなると思いますので、やはり肉体と精神のバランスが何よりも重要だと思います。

最近多い胃の反応でも単純に胃熱がある場合と、生活環境からも来ている反応とでは複雑さが違います。単純な場合は、それだけを意識して治療を行えば改善しますが、複雑な反応になるとそれだけでは改善しません。

こういう場合も肉体から遠く離れて診察するという方法があります。

これは意識の階層構造を使う訳ですが、肉体から太陽系の外側まで離れた意識を持って、反応を診ると全く違った答えが返ってくることがあります。意識を太陽系の外側まで持って行けるかどうかは重要なポイントですが、近くばかりを見ていると何が本当の原因なのかがわからなくなってくるのです。少し距離を置いて(数メートル)同じ診断をしてみるのも効果的ですので、見方を変えて貰うことはとても重要だと思います。

詳細に調べれば調べる程、様々な反応があらわれ、それが原因かと思うことがありますが、それを繰り返していると大極を見失ってしまうことがあるのです。気の診断と治療においては、しらみ潰しに調べていく方法もあるのですが、それをやりすぎると術者のエネルギーの浪費が大きくなりすぎ、疲れてしまって、正しい答えを出せなくなってしまう時期があります。

これは気の診断にとって重要な現象ですので、詳細になりすぎず、大まかになりすぎずというバランスが大事です。頭を常に切りかえる勇気が必要ですね。言葉でいうのは簡単ですが、意外この切りかえが難しいというのが気の診断のもう一つの特徴ですね。劇的に治ったような経験をしてしまうと、それに囚われすぎて、その反応がでてくるまで細かく調べたりしますが、正しい結果にはならないことがあります。

そういう時こそ見方を変える勇気が必要なのです。気の診断の戒めとして覚えておいて下さい。

臨床的な例を書いてみます。

肩の違和感を訴える40代女性が右肺に細菌感染の反応がありました。細菌がなんであるかは特定していません。全体的な反応を見ていると「中」の反応で四肢に異常反応がありました。
ここで考えられる事は、手首の外側に異常が強く、伸筋側から上肢を通って鎖骨、側頚部から前頚部まで反応があり、これが原因で肩や首の違和感になっているということだと思います。
肩の緊張や違和感は、肺や気管支、咽頭部と関係がある事は常ですが、この場合は、手首の筋肉の反応が強く水、熱という反応でした。
これをどう考えれば良いのかですが、聞いてみると草取りを2~3日一生懸命やったらしく、手首から異常が来ているかもと聞いて思い出したみたいです。
しかし、細菌感染の反応があり、実邪が胸部にもあるのです。つまり、胸部から実邪を取り除こうと処置をするとその元になっている手首の反応が残り、取れきれなくなってしまうということが起こります。
肉体のみの反応では胸部の反応がかなり強くあらわれていたので、手首の反応を見落とす可能性もがあります。
太陽系の外側に意識を持って行き眺めると手首が優位だとはっきりわかります。
意識の切り替えによって、優先順位が違って来るという典型的な例です。
筋肉の使い方の過不足により水分代謝の異常が起こり熱となって首や肩に影響を与えていたと考えれば、納得行く答えになると思います。
手首の反応を消去すると当然ですが、首や肩の緊張はなくなっていきました。目も楽になり頭もスッキリしました。もちろん、数カ所の刺激でしたから、間違いなく適切な答えだったと思います。
優先順位を間違えると簡単な刺激でなく、複雑な刺激をしないと効果がないということになりますので、何が優位か、どのポジションで観察するのが適切かということを常に意識する必要があるということですね。こういう例は沢山ありますので気がついたらその都度書いてみたいと思います。



9 月
23
Filed Under (筋力検査をマスターしよう) by omisono on 23-09-2010

脈診を気の診断に利用する方法は、前回書いたとおりですが、何の条件付けも行わないというのがテーマでした。しかし、それぞれの治療法によって脈は大きく変化します。つまり治療法によって脈が違うということです。

寸口の脈だけを頼りに治療をしても何の治療法における脈なのかを意識していないと何の条件付けも行わない脈診と同じ結果になってしまいます。そしてその結果は、術者個人の状態によって変化もするし、その人が得意とする治療法によっても変化します。経絡治療の本治法をメインに治療を行っている人は、脈もそのようにでやすいと思います。何の経験もない人の場合、脈がコロコロ変わってしまったりもするので、なかなか一定しないということもあります。

難経の六十九難や七十五難の治療原則を元にして治療を行う方法は、案外高度な方法なので、簡単な実験から入ってみて下さい。

条件付けとしては、常にエーテル界層だと条件付け、気水血をそれぞれイメージングしながら、上中下を観察しながら気の診断を行います。「気」の異常反応があるところは身体の上部(首から上)か中部(体幹、四肢)か下部(腰から下)かというイメージングで行います。「気」が実なのか虚なのかは別として、過不足のあるところというイメージが良いでしょう。過不足のあるところという条件付けなら「虚」でも「実」でも反応が起こります。「虚」だけだと虚しているところしか反応しませんので、まずは過不足という条件付けが良いでしょう。

「気」の反応で上という反応が出現していたら、「後頭部や後頚部」なのか「左側頭や側頸部」なのか、「顔面部や前頚部」、「右側頭部や側頸部」なのかを調べれば「気」の存在部位はわかります。「気」の過不足部位がわかれば、その過不足部位と関係する脈(治療脈と条件付けて下さい)を調べます。

この時に寸関尺の脈診を行うのですが、「気」の過不足部位は、より明確な位置を示しておくと良いと思います。例えば、左側頭部の前側から側頸部あたりという感じです。左側頭部に反応があっても、よく見ていくと顔面部までつながっている場合もありますし、それが胸部までつながっているというようなことも起こります。

近づいて見た場合と遠ざかってみた場合で反応の違いが起こるのはこのような現象があるためです。大まかには上左という反応があってもよく近づいて体表面を観察していくと、上左は一部で、それが中前や下前までつながって存在している場合もあります。もちろん上左は経気線の背が高い反応ですから、そこを狙えば十分効果はあると思います。

体外の経気について注意する必要があるといっているのは、こういうことが現象としてあるからです。意識を変えると今まで存在しなかった反応が存在していることに気づいたりすることがあるので、それにも注意をし、より明確な反応をみた方が後の脈診の結果も変わってくるということなのです。

それを怠ると明確な治療におけるイメージングが行われず、明確な効果があらわれないこともあります。手順をしっかり踏んでやった治療法は明確な答えがでてきます。患者さんの方から頭がスッキリしてきたということをいってもらえたりすると、正しい診断だったということで自信をつけることができます。このイメージングを明確に行わないといつまでたっても効果があらわれないので、このあたりはキッチリ練習しておくと良いと思います。

このような手順で、気水血の過不足部位をそれぞれ調べて、その関連経脈を脈診してみて下さい。そうすることで一つ一つが明確になってくることと思います。

「気」の過不足、「水」の過不足、血の過不足という条件付けで行った異常部の反応は何らかの症状がでていたり圧痛が強かったりするところです。関節可動域も狭くなっていることもあり、それが健康状態を低下させていると考えれば、どんな症状や病気であっても、狙うのは、そこを狙っていけば良いということになるでしょう。

耳鍼でも高麗手指針でも局所の一点を見つめると全体があらわれてくるということがありますが、「気」の過不足のある部位には、必ず十二経脈が関与しています。つまり全身を流れる経脈が局所にあらわれているということです。

O-リングテストによって脳を検査し、脳を調整する方法があります。「脳のメンテナンス 元気脳 脳健康 その病気は脳が原因でした」 豊岡憲治著 グラフ社 という本がでています。脳を中心に考え、脳の機能と症状を明快に分析しています。とても良い本だと思いますので、一気に読んでしまえると思います。脳の状態を観察する方法を紹介している本ですが、これも脳という局所を見つめていくと全身と絡んだ反応が出現しているということを紹介した本だと思います。

この先生、ブログにも面白いことを書いています。手にも足の経絡があったりする人がいるということを書いています。体表面の観察と体外の観察では違うので、そういうことが起こるのは当たり前だと思っていますが、この少ない症例の方は、体外経気における足の経絡が手の体表面にでているという方だろうと思います。

また鉄の蓄積が脳や様々な臓器の働きを低下させるとも書いていますが、気水血の「血」が反応する部位だと解釈できます。「血」というイメージで、それが欝滞するところを調べると合致するのではないかと思います。そして「血」でも「水」よりの「血」の反応と「気」よりの反応というのもあり、順位が関係してきますので、順位を考慮しながら観察すると面白い結果がでてくるのではないかと思います。つまり「血」「血」という反応と「血」「水」という反応は違うということですね。

ここでは、まず基本的な気水血それぞれに関して捉えるということが大事だと思いますので、そうしてきましたが、より詳細に調べようと思うと、そういうこともできます。「血」では反応しなくても「血」「血」では反応する部位というのもあります。気水血の反応で弱い反応しか検出されない場合、こういうことも問題にしてみるとより詳細な結果が返ってくると思います。

是非やってみて下さい。



9 月
22
Filed Under (筋力検査をマスターしよう) by omisono on 22-09-2010

経絡的な治療を行う上で、脈診は必要不可欠な方法です。脈診にも色々ありますが、やはり一番ポピュラーなものが寸口の脈の診断でしょう。一般的な経絡治療は、この脈だけで証を決定し、治療を行います。気の診断を行うと寸口の脈が必ず全身と関係する脈が現れているかというとそうではないようです。この話は何回か書いたと思います。

ただそれをどう生かすかという話は、全く別の話になると思って良いと思います。これもシステム構成が必要で何の脈を意識して診ているのかを明確にしないと正しい脈証は得られません。

今現在、何の条件付けもしないで寸口の脈を診ると右関(脾経)の脈、左関(肝経)が活性化している人が多いようです。もちろん条件付けをしないといっても誰の何にを診ているのかというのは最低条件として必要なので、肉体レベルのエーテル体の反応という条件付けで行いました。しかし、この脈証がわかりにくいという人があります。こういう人の場合、どう調べれば良いでしょうか?

気の診断は、あくまでも術者のイメージが大きな意味を持ちます。単純に脈診をしてもあやふやな答えしか返ってきません。まずこの場合ならエーテル体の反応が体表面からどれぐらいの範囲にあるのかを明確にしてみてください。エーテル体で条件付けて、体表面に触れた手を少しずつ離していくとエーテル体がどれぐらいの距離があるかわかります。だいたい10㎝程度離れたところでエーテル体の反応がなくなると思います。

内臓から体表面、体表面から体外の10㎝程度がエーテル体の反応であるという条件付けを行って再度、この脈診を行ってみて下さい。そうすると明確になる場合があります。エーテル体以外には何の条件も入っていないので、だいたい同じような脈証がでてくるのではないかと思います。時には違う脈証がでてきますが、それは自分自身の身体と交流した反応であるかもわかりません。様々な条件が考えられるので、それを明確にしていくのも気の診断の面白さといえるかもわかりません。

他の人が診ると肺経の方が優位という人があるかもわかりませんし、腎経の方が優位という人がいるかもわかりません。これは何の条件も入っていないので、自分自身の身体との交流した気を捉えているのかもわかりません。たとえ違う脈証がでてもそれが間違いではありません。何故なら何の条件付けもしていないからです。

実は一般的な経絡治療の場合、こういうことが起こっているので、脈診の結果が同じにならないということが起こるのです。条件を絞り込むと明確な診断が可能になってきますが、それもその人の経験値によって違いがあります。つまり、どんな脈証がでてもそれを信じるということが何よりも重要だということです。そして条件が大まかな場合、何故その脈がでたのかを追求していくことが重要だといえます。そうするとなるほどと思えることが多々あり、脈診の幅がでてきますし、頭が硬くならなくてすみます。

大事なことは何があってもでている脈を信じるということが大事だということです。そこから糸口が見つかり新たな発見があるかもわからないというのが気の診断の脈診の面白いところです。

通常の寸関尺の脈を診る場合も当てる指は皮膚に触れる程度で良いのではないかと私は思います。条件を変え、深く沈んだ脈を診たいと思ったら(臓の脈)、その脈が出現しますし、表面の脈を診たいと思ったら(腑の脈)その脈が出現します。

最初に寸関尺に指をあてがい、どの位置が異常脈となっているのかを最初に観察し、左右の寸関尺のどれかを決めます。一つである場合もあれば複数である場合もあり、変幻自在ですので、よく観察する必要があります。どの位置かがわかれば、その後深い脈をイメージして再度指をあて、臓の脈か表面の脈をイメージして腑の脈かを決めれば良いのです。

軽く接触する程度の脈の見方の方が感覚が研ぎ澄まされ、明確にわかると思います。私は脈診をするのに数秒で決定しますが、こういうやり方でないとなかなか異常脈を決定することは不可能なのではないかと思います。何故なら脈証は迷えば迷う程、変化してしまうからです。つまり条件設定が不安定になり、明確でなくなります。純粋思考は、短い時間しか留まりませんので、その一瞬を捉える必要があるということですね。

気の診断の脈診がうまくいかない人は、大抵こういうことでうまくいかないことが殆どだと思いますので、即決する練習をしてみてください。そして出現した異常脈を何でも良いので、まずは刺激をしてみて下さい。

例えば脾経が異常とでた場合、脾経上をイメージし、どの穴がエーテル界層における開口穴になっているのかを見つけようとします。下腿にあるのか大腿にあるのか、体幹にあるのかを区別し、僧帽筋の変化を確認しても良いと思います。

私が確認すると右太白と左周栄が開口穴となっていました。エーテル界層における脾経の開口穴といえると思います。そこを指で触って、再度僧帽筋の変化を観察します。開口穴ならば、大きな変化があらわれます。これも人によって大きな変化の人もあれば、小さい変化しかない場合もありますが、大事なことは変化したという事実です。

次に周栄穴を触ってみて下さい。この順番が正しければ、太白→周栄という組み合わせで脾経の異常脈は消えるはずです。もし脾経の異常脈が消えなければ、周栄→太白と触ってみて下さい。このどちらかで脾経の異常脈は消失するはずです。

もしこれでも消えないようなら、脾経が主治経でなく、他の経脈が関与していることになり、複数の脈証がでているということになります。脈が複数あるために一経脈上を刺激してもその関係する寸口の脈に影響を与えないということになっているのだと思います。

このようにして単純な異常脈の見方から複数の異常脈の見方が必要という結果が生まれたことになり、それによって経験値があがるということになるはずです。経験値が増えると硬かった頭が、どんなものでも受け入れる体勢になってきます。つまり、現象を信じる力が生まれるのです。今でている現象をしっかり受け止められなければ、気の診断における次はありません。次がないので迷ってしまうのです。実は気の診断がうまくなるかならないかは、ここが一番重要なので、それを決める訓練をしていないといつまでたっても力がつきません。

正しいか正しくないかは患者さんの身体が教えてくれます。正しくなければ変化ないし、正しければ変化が起こる。当たり前の話ですが、これを受け入れられない人が多く、途中で諦めてしまうようです。

何度も不審に思うことがあると思いますが、不審に思ったら単純なことを繰り返して行うと光が見えてきます。その訓練を積まないとなかなかうまくならないので、何度も何度も練習をしてみて下さい。きっと光明が見えてくると思います。一度つかんでしまえば自転車を乗るのと同じで、しばらくやっていなくてもやれば直ぐに感覚を取り戻すことができると思います。

是非頑張ってやってみて下さい。



9 月
18
Filed Under (筋力検査をマスターしよう) by omisono on 18-09-2010

気の診断をしていて、一番迷うのが、何を治療の対象にしようとしているかということだと思います。

これは、どんな治療法であっても重要な考え方です。

例えば、症状は全くありませんという患者さんが来たらどうするのか?

現在際だった症状(関節の痛みや緊張等)が全くない内臓の症状の人が来たらどうするのか?

アトピー等の皮膚障害の人が来たら何を目標にしていくのか?

こういう患者さんに対しては、色んな考え方で治療対象を作ることになると思いますが、どういうストーリーを作っていくのかの手がかりを気の診断で見つけていくということが重要です。

例えば、気水血、虚実等々の異常を示す異常経気が、おおまかにどこに存在しているのかというイメージを持ち、調べてみます。

首から上、体幹、上肢、下肢という形で調べると良いと思います。体幹に反応があれば、背部、左側面、前面、右側面を選んでいくとだいたいの場所を観察することができます。体幹で前面の反応なら腹部や胸部周囲をタッピングや筋力検査で異常反応のある場所が緊張という条件設定で調べていきます。この場合、表面にあらわれてくる異常なので、それが主役かどうかはわかりません。腫瘍が胃にあっても上腹部の反応がでるとは限らないからです。一番表層にある反応であったり、見つけやすい反応であったりするからです。見つけやすい反応は、まず最初に調整しておくというのが基本です。そうすると病態がハッキリしてきます。

腰の痛みを訴えていても色々な症状がありますが、ぎっくり腰のように動けないものから、動くのは大丈夫だが、動かしはじめだけが辛い、何もしなくても辛い等々色々あります。こういう場合、下腹部から大腿部にかけての反応が強いことが多く、これが最初に調整しなければならないところということになります。

そこで、あきらかな血行不良のある方(舌所見でも脈所見、望診等々でも)でも「水」の反応が大腿後内側のみにでてきたりすることがあります。ここで気の診断が間違いなのかなと思うのですが、全体の反応と最初にあらわれる反応には違いがあります。自分を信じて最初にあらわれてきた反応を明確に除去することが何よりも先になります。症状や病名は頭の片隅においておいて、その人の今の状態がどうなっているのかを観察することが何よりも重要な考えだといえるのです。

この例の場合、「水」のイメージングをしながら、圧痛をみます。この場合、大腿前側のタッピングや皮膚張力を観察しながら、後ろの方へ触診して行きます。



図のような感じで前側から内側面を触診していきながら上から下まで調べてみると、腎経あたりに3㎝程度の幅で異常な反応点(「水」)があることに気づきます。それが下腹部あたりまでつながっています。

このような場合、動いた時の痛みは動かしはじめのみで、違和感がずっとあるというような腰の痛みに強いと考えられます。臓腑の診断ではやはり腎膀胱系の反応であり、「水」「腎」「熱」というようなキーワードが見えてきます。ここからきっかけをつかんでいくのですが、熱でも「水」と関連する熱とただの熱では違いがあります。「水」関連の腎系統と熱関係の胃が共存する場合もあり、脈診における複合脈証と合う形になったりするのです。

経絡治療では寸口の脈(橈骨動脈拍動部)で身体全体の脈を診察するといわれますが、実際には寸口の脈が治本法(全体と関係のある)の脈をあらわしているとは限りません。局所経気の脈をあらわしていたりすると脈診が非常に複雑になっていることがあり、判断に迷うことがあると思います。つまり寸口の脈が局所経気の脈をあらわしていて、一経脈や二経脈の異常とはでてこないで、多数の脈証がでてきて何が主役かわかりにくくなっていたりするのです。寸口の脈だけで全体を把握するのが困難なのは、それが一つの原因であったりします。

上記の例の脈の場合、頸動脈の拍動部で局所経気である大腿内側の脈がでてきたりすることが多く、寸口ではこのような脈証はでません。つまり、最大の治療対象経気である大腿内側の反応が寸口ではあらわれず、頸動脈の拍動部でしかわからないということになれば、順序が逆になって余計に複雑になってしまうということになるのです。

何が主役かというのは、縦横無尽に治本、治標、局所という経気の所在部位を確認しながら脈証を診て、関連経脈上の穴への刺激をしないと矛盾してしまうということになります。

しかし、経絡治療のベテランの先生は、寸口の脈のみで診断し、寸口に局所経気の脈がでる状態になるように無意識の前処置が行われているのではないかと想像します。意識的に行っている方もいらっしゃるかと思いますが、この現象を考えると、いきなり寸口の脈のみで、脈診するというのは余程のベテランの先生でないと難しいのではないかと思ったりします。

無意識の前処置は、術者の体調等によって大きく左右されたりしますので、最初は、一つ一つ手順をふまえて問題を解決していった方が、最終的には、術者の体調に左右されないで診断と治療が可能になってくると思います。ややこしいイメージングと手順が必要かもわかりませんが、ストーリーを作ることを意識して貰えれば、あとは慣れだと思います。

しかし、慣れてくると初めて間もない術者であっても、イメージングがすんなりできるようになれば、治療効果をあげることが可能だと思います。そうすると思わぬところを刺激して、思わぬ効果があったりします。

そういう経験を重ねることで、無闇に刺激をしてはいけないということを思い知ります。そして経絡や穴、イメージング(気)の存在を体感し、それが次の経験に生かされるのだと思います。非常に感動する瞬間であり、体験すればのめりこんでしまうのは間違いないと私は思います。

何が主役か?

このパズルを解くことができれば、大半の治療は終わっていると考えて間違いありません。病態の主役さえ叩いておけば、病が自分から崩れ去っていくのです。その姿を経過観察していくことで、人間の自然治癒力のあり方を知るのです。自然に治ろうとする力というのは、お節介をしないで、その人の力を信じてあげないといけません。術者の信じる力は、こういう経験を重ねることで生まれてくるので、一朝一夕には得ることはできないので、論理的で地道な努力が必要ということになります。

私が気功治療や鍼治療は神秘的なものでもなんでもないというのは、こういう努力を重ねてきたからであり、それをどう治療にいかそうかと四六時中考えているからです。神秘的なものにあこがれたりすることはあると思いますが、そういう夢ばかり見ていると現実は、そう簡単ではないということを思い知らされる結果になると思います。

何度も書きますが、主役が何かを決めることが大半の治療のあり方を決めます。

安易な道はないということを肝に銘じて、とりくんでいって下さい。



9 月
16
Filed Under (筋力検査をマスターしよう) by omisono on 16-09-2010

前回、3つの穴が局所経気としてグループを作っていると書きましたが、この3つの穴にも高さがあり、様々な情報を含んでいるようです。

まだ研究段階なので、今後あきらかにしていこうと思いますが、ストーリーを組み立てて、それが正しければ結果が返ってきますので、それを判断していけば、どういう成り立ちになっているかがわかります。

そもそも穴というのは先人達が作った体表面に現れるエネルギーの交流場所です。つまり内臓と外界との交流をするために出現する反応だといえます。しかし、先人達が作ったというところが重要です。

穴に一定の決まりがある訳ではないと考える方が色んな解釈ができます。もし明確に決まっていて動かないものだとするならば、私の治療法は全く効かないということになります。なぜなら穴はイメージでいくらでも移動すると言い続け、それを実践してきたからです。これは東洋医学の理論を根底から覆していると思われるかも知れません。

穴はある程度一定に決まった場所に存在し、肺なら肺と関係する経絡がエネルギーの流れとして河のように流れているというのが古典にある説明です。それは十分理解しているつもりですが、それ以前に「気」が根本的に重要というところから考えてみると、もっと自由な発想ができるのではないかと私は考えています。

「気」が重要な要素を持つならイメージングでいくらでも変化させられると考えてもおかしくないという考えです。やや乱暴な考え方のように思えるかもわかりませんが、実際にそれで結果がでますので、間違いのない事実だろうと思っています。これを実践で証明するまでにかなりの長い時間がかかりました。しかし、それを理解してみると、色んな謎が簡単に解けるようになったというのも事実です。

「気」が重要だといった先人達は、穴が一定の場所にあると図示しながらも、それにはかなりの自由度があるということを前提に話をすすめているのです。読み手は、本に書いてあることを額面どおり受け取るのではなく、解釈をしながら基本を崩さないトポロジー的発想が必要だと思います。そうでないと難解な古典の意味を本当には、理解することは不可能だと考えています。物事の本質を崩さないで、形を変化させて解釈するということですね。

しかし、古典を研究している方達は、重箱の隅をつっつくような理論を展開している人が多くみられます。もともとイメージングシステムが違う概念を無理やりくっつけようと努力しているのではないかと思ってしまいます。そんなことをしても臨床で役立つ知識にはならないのではないかと思うのですが、それでも十分治療に応用できるのですから、「気」は変幻自在なのだと思います。またそれを否定する訳ではありません。

しかし、古典信仰ではない、現場信仰である私には、そういう考えには、何の魅力もないので、古典信仰から解き放つ意味も込めて、このブログを更新していかなければと考えています。何度もいうようですが、イメージで穴の位置や大きさ等々は、いくらでも変化します。それをダイナミックに認めることが何よりも重要だと思うのです。

そう考えると3つの穴の局所経気のグループには、一つの意味があることがわかります。





図形のように 「気血水」 「血水気」 「水気血」 という順番で一つの身体の様々な場所に存在しています。

例えば、腰に「気血水」 左手に「血水気」 右足首に「水気血」というグループの穴があるということになります。規則正しく気血水の順番で並んでいるのは面白い事実だと思います。そして中心の円環が一番高くなっていますが、ここが一つのグループの最大治療ポイントとなります。つまり、一番背の高い円環の中心をグループごとにそれぞれ順番に3回刺激するということになります。

詳細に刺激しようと思ったら、最初のグループの一番背の高い円環、次に背の高い円環、一番背の低い円環という形で、一つのグループの刺激をし、それをグループごとに刺激するので計9回刺激するということになります。

また逆に省略した刺激をしようと思ったら、一番最初にでてきた反応の中心の円環に刺激し、最後のグループの円環の中心に刺激をするという方法で良いと思います。この場合には、どれが最後の刺激グループであるのかをあらかじめ知っている必要があります。つまり、全ての診断をしてからどれが最適で、どれが最後になるのかを診断する技術が必要です。

こういう穴の反応が規則正しく並んでいる理由として、気水血が一つのグループとして各所に点在し、気水血による局所治療が可能になっているということのあらわれだと思います。また気水血はそれぞれ、経絡、奇経、経別とも対応するので、それぞれのグループの円環に一つの経絡が対応しているということになります。血が一番背の高い円環グループなら経別治療の適応となり、病が深く入った状態といえますし、それと対応するのが脾経ということであれば、脾経に関する病が局所経気の反応として存在するということになります。

私の考えでは、局所経気にも必ず脈診が必要であり、経気ごとに対応する異常経脈があると考えています。治本法のみに脈診が必要なのではなく、局所にも脈診が必要だということです。また局所経気は、各所に点在し、それぞれに気水血を含んでいるということがいえますので、それぞれの円環にそれぞれ対応する経脈があるということです。つまり、非常に複雑な脈診を行わないと局所経気の脈診は行えないということになるのです。

虚実や寒熱、陰陽に関しても同様の円環が各所に点在します。そうなると脈診は非常に複雑な様相になり、一筋縄ではいかないのです。しかし、局所経気の脈診ができれば、劇的に身体を変化させることができますし、特効穴という形の穴を明確に順序をふまえて規則正しく刺激できるということになります。

私が鍼灸師になりたての頃、便秘に合谷が効くのかやってみようと思い、合谷を刺激しましたが、便秘が治った経験はありませんでした。また何故合谷が便秘に効く穴なのか?
何故、便秘に効く穴と書いてあるのに便秘に効果がないのか、全くわかりませんでしたが、この理論のとおりであれば、穴に順書と範囲があるから、合谷の穴を開かせる状態になっていないのに合谷に刺激しても効果がないということがわかりました。

つまり、合谷の穴が活性化していない状態で刺激しても効果はないということです。合谷の穴を開かせる前処置が必要だということですね。

前処置を行うことで、はじめて便秘に効果のある合谷という穴が活性し、その時点で合谷に刺激を与えると便の出が良くなるということだということに気づいたのです。

穴が開花すると触診や気の診断、望診によっても簡単に穴を見つけることができます。どんな達人でも開花していない合谷を開かせることは困難だろうと思います。気が活性化してくると合谷が開くようにイメージングすると合谷が開くようになるようですが、その話は後の話ということで、まず順序と範囲が重要だということを知って頂きたいと思います。

如何ですか?

穴といっても単純に教科書に載っている穴だけではないというのがわかってもらえたでしょうか?

トポロジー的発想による穴の変位というのは、一つ一つ細かい現象を見ていて気づくものです。一つの特徴を捉え、それをどう説明すれば良いかを考え、予測し、その予測どおりに反応がでるのかを診断し、実際にそれを刺激してみて、効果があれば、それが事実であると認識できます。一見形は違うように見えて、実は基本的には変わりはないのです。穴に特効穴があるのは、それぞれの穴がグループとして存在しているという意味ですので、グループどうしのエネルギー交換ともいえると思います。

こういう見方で穴を見ていくとまだまだわからないことが沢山ありそうですね。



9 月
15
Filed Under (筋力検査をマスターしよう) by omisono on 15-09-2010

「気」の診断をするためにはストーリーを描くということが大事だと書きましたが、気水血や虚実、寒熱によってでてきた異常反応部位を中心にして、深さを変えてみてはどうかという考えがなりたちます。

つまり表、半表半裏、裏 という考えです。中医学には、八綱弁証という考え方があり、陰陽、表裏、虚実、寒熱という基本的な要素を舌診や脈診、切診等で観察していきますが、あくまでもそれは、ストーリーを描くための手だてなのです。気の診断によって得られる情報のストーリーは非常に深いものがあります。解剖図を横に並べて、たどっていくと部分的な反応がでているのがよくわかります。詳細になればなる程、ストーリーが複雑にはなりますが、それによって症状が緩解した時には、一つの疾患と一つの臓器が何らかの関係を持っていると想像することができるのです。

例えば首の痛みに関して左右の痛みは腕が関係し、前後の痛みは咽が関係するという事実があります。右を向いて痛みを感じる場合、手三里あたりを刺激すると、即効的に改善することがあります。しかし、前後を向いた時の痛みは、そう簡単ではなく、咽の深くに熱が入り、「血」の流れが悪くなったという反応が出現してきます。咽頭筋という筋肉が咽の周囲にありますが、特に中咽頭収縮筋が重にやられると舌骨付近で著しい圧痛を認めます。



またオトガイ舌筋や、舌骨舌筋といった舌を前にだした時に関係する筋肉にも影響をあたえています。下記の図は頭を縦割りにした図ですが、延髄や橋、小脳といったところにも関係があり、鼻腔にも反応がおこります。



患者本人に聞くと、鼻の奥が熱いような感覚があるが、体温は高くないといいます。つまり身体全体で起こっている熱ではなく、部分的に起こっている熱だということがいえます。首の痛みでなくても頭部の熱感は、だいたいこういうところから起こってくると考えられるのです。

このような反応は深部の図をイメージングしてはじめて理解できることです。また首の痛みと咽がどうして関係があるのかということを気の診断上説明するのに効果的です。症状として、物を飲み込んだ時にも痛みがあるといいますが、これを西洋医学ではどう説明するのでしょうか?

咽頭収縮筋の上中下の中部が特に強い反応を示した時に飲み込んだ時にも痛みがあると思いますし、この熱をとるために身体全体の調整をしないと駄目な場合も多く、時間もかかることも多いようです。あまりこういう症例は見かけませんが、酷い時には本人は唸るほど痛みを訴えます。車にも乗れない状態になったりしますので、非常に辛い状態になります。痛み止めも殆ど効果がない場合が多く、一般的な処置ではたちうちできないでしょう。

また熱があるということは、そこに「血」が集まっているということでしょう。欝滞した「血」があるのですからそれを流してあげてないと駄目です。単純に冷やすという行為をしてしまうと回りの組織にも影響が起こり、逆に治りが悪くなってしまったりすることが予測されます。

しかし、「気」の診断上、熱と「血」の反応が強いのですから、冷やした方が良いと考えられます。ではどうすれば良いでしょうか?

それは冷やす面積を一点に絞り込むということをやるわけです。つまり、舌骨付近を保冷剤で冷やす訳ですが、面積としては1㎝以内にすると効果的です。

物理刺激も範囲を限定して行うと良い刺激になります。考えもなしに、ただ冷やせば良いと思って冷やすと後で酷い目にあいます。

また冷えが必ず足にでていることが多いので、足をあっためて、咽の一部を冷やすというのを繰り返すと、治りが早いのです。

ストーリーを描くというのは、様々な角度から観察した結果を元にその反応をなくしていく手だてを考えるということに他なりません。こういう現象がわかるのも気の診断を詳細にやっているからであり、何気なく行っていれば、何もわかりません。

基本は、陰陽表裏虚実寒熱と気水血です。これらを元にして深い臓腑の器官を詳細に調べることで一つのストーリーを描くことができるとパターン認識ができます。パターンさえつかんでしまえば、どの程度の刺激で、どれぐらいの自然治癒が起こるかを予測することも可能だといえます。

如何でしょうか?

少しは気の診断についてご理解頂けますか?



9 月
15
Filed Under (今日の記録) by omisono on 15-09-2010

単純な肩関節の痛みについて書いてみたいと思います。

肩の痛みぐらいと考えて放置しておくと、徐々に酷くなり、手があがらな

くなって困る場合もありますが、単純な肩の痛みと挙がらなくなる痛みとはちょっと質が違います。しかし、肩の痛みに関しては、目の付け所は同じところなので、少し書いてみようかと考えました。もちろん、全ての肩の痛みが同じではないので、よくある形として参考にして頂くと良いと思います。
まず、全体の調整は必要です。全体の調整については、更に高度な見方が必要なので、ここでは説明はしません。あくまでも全体の調整が終わってからの処置という形で話をすすめていきます。

ご存じのように肩関節は肋骨と肩甲骨の肩甲胸郭関節、肩甲骨と上腕骨の肩関節、鎖骨と肩の肩鎖関節とから成り立っています。肩の異常はレントゲン等をみればわかりますが、単純な肩の痛みに関して、レントゲン所見で石灰沈着化しているようなものより、何も認められないものの方が圧倒的に多いと思います。

穴として刺激する局所経気が出現しているのですが、注意深く観察してみると3つの穴がグループを作っているようです。肩を横上から眺めた次の図で解説してみます。



この図で皮膚張力の発生しているところは側頸部後部、肩上部、肩甲骨上部、鎖骨先端から上腕骨上部外側(三角筋部)、胸骨という形です。これらはそれぞれグループとしての性格を持つ局所経気です。3つの穴がそれぞれの穴に影響しあっていると考えられます。

一つの点としての穴と関連する穴という条件設定で気の診断を行うと、円形に穴が無数に出現してきます。その円上の一つが同じ半径を持った円を形成しています。お互いは一つのグループとして影響しあっていると考えることができます。それが3つの円形になって、一つの局所経気を形成していると考えられます。



このような形で局所の穴は規則正しく配置されて並んでいるようですが、穴のグループの形は多数あるので、一つの例として、ご紹介しました。

ここで問題になっているのは、そのグループのある場所です。単純に肩の痛みがあるからということで鍼刺激を行っても効果は少ないか、殆どありません。最低でもこのような診断を行い、局所経気としての穴の性格を知る必要があると思います。そして、その穴群の優位性が考えられます。つまり、どのグループを先に治療するのかという問題です。

この優位性の判断によって、治療効果は全く違ってきますので、順序正しく刺激していくことが有効であり、短時間で効果をあげられるかどうかが決まってきます。

実はこの図の刺激ポイントだけを刺激すると肩の痛みが楽になるかというと、そう単純ではありません。単純な肩の痛みであってもなかなか痛みがとれないことが多いのです。肩は、もっとも不安定な構造をしているといわれていますが、確かにそうであり、四十肩、五十肩と呼ばれる所以です。一般的には年齢と思われていますが、圧痛点や刺激点が40カ所、50カ所ある肩の痛みという意味ですので、四十肩より五十肩の方が複雑な圧痛点があると考えて間違いないと思います。もちろん年齢的なものも同時期に起こりやすいので、余計にそれが通称となったのだと思います。

他にも側胸部、腋窩部、手首、足首内側等々にも局所経気となるグループがあります。これらの優位順を決め、丁寧に刺激していくと驚く程効果がでます。もちろん、湿布を貼っても、痛み止めを飲んでも、痛みがなかなか改善しない人を対象にしていますが、瞬時に動きに変化があらわれてくることが殆どです。

また順序が大事と書きましたが、実はこの円は、円環状になり、高さがあります。体表面から1メートルぐらい離れたところにそれぞれの局所経気と関連する穴群を認めることができるのです。つまり、一つの穴が他の穴と円形を形成し、それに高さがあるのです。

この3つの穴の順番を正確に刺激しようと思ったら、それぞれの穴に刺激をしたというイメージングを行えば問題が解決します。この例の場合、真ん中の穴、遠位部の穴、近位部の穴という順番で刺激を行うと円環状経気が一気に下がり、穴の反応が消失します。しかし、遠位部から真ん中、近位部と刺激すると高さが30㎝ぐらい残り、近位部から中心、遠位部と刺激すると70㎝ぐらい残ります。無作為に刺激しても効果がないというのは、こういうことなのだと理解して頂ければと思います。



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