筋力検査法について、色々と思うところがありますが、なかなかまとめることができませんでしたので、ちょっとまとめてみようかと考えています。

「気」は思考であり、意識です。意識というエネルギーを生体に入れると何らかの変化が起こります。それは筋肉が緩んだり、緊張したりするのですが、筋力検査を行う人が迷いやすい点をあげてみたいと思います。

まず、純粋思考になれない。純粋思考とは、何の関連もない純粋な意識(思考)を患者に向けるということです。筋力検査の方法は教えて貰えればできますが、意識を純粋にするのは訓練が必要です。意識は、光よりも早く到達します。例えば太陽に意識を向ければ一瞬で太陽まで行くでしょう。しかし光は地球から太陽まで8分程もかかってしまいます。

意識はエネルギーです。目に見えなくても科学的に数値化することができなくても思考はエネルギーなので、人体に向けると大きな変化があらわれるのです。この変化は筋肉にもっとも大きく反映されます。緊張したり、弛緩したりすることで、どんな意識を向けると緊張するのか弛緩するのかの答えが得られます。人体はブラックボックスであり、どんな入力を与えると、どんな出力が得られるのかは未知数で、決まりはありません。常識に囚われないで、様々な意識を入力することで、相手の身体の状態を観察することができるのです。問題はその与える意識(思考)が不純でないことです。思考は一瞬で遠くまで到達する程、変化の早いものであり、余計な思考が混じると正しい結果になりません。基本的には即決することが重要です。筋力検査を行う場合、初心者が陥りやすい間違いは、即決できないことです。純粋な思考は長い時間留まりませんので、一瞬で判断する技量が必要になります。

最も大きな間違いは、与えた意識から得られる答えを常識的に判断してしまうことです。意図しない結果になった場合でもそれを受け入れる覚悟が必要になります。その覚悟がないと即決はできません。意識は一瞬で到達するので、様々な思考によって様々な結果が得られます。余計な思考が入ると結果は絶対に安定しないため、それを間違いだと思ってしまうことです。

常識的に考えるのは、結果がでた後です。あきらかに間違いだと思えるものもあれば、この結果もありえると思えるものまで様々です。それを取捨選択していくことが経験となるのです。



図は純粋な意識を向けた場合の変化と不純な意識を向けた場合の変化をあらわしたものです。条件設定の違いで明確にも不明瞭にもなるのが筋力検査の性格です。鮮明にするためには、明確な意識(思考)をしてその結果を得る必要があります。

つまり身体に意識という刺激を送り込み、それによって得られる結果を観察するという方法が正しい筋力検査の方法です。ただ、純粋思考といっても全く純粋な思考というのは存在しないのかもわかりません。

やはりその術者が経験したり、得た知識に多少なりとも左右されることが予測されます。そこで、それも想定し、トータルでその結果を尊重していくという姿勢が重要だということです。

症状と気の診断の結果が合っていなかったり、全くの思いこみであったりするということはあり得る話です。これはベテランでも初心者でも同様に起こりますので、絶対に正しいという思いこみではなく、そうではないかと予測するということが望ましいのです。

もちろん、ベテランになってくると純粋な思考をすることが容易く行えるようになってくるので、限りなく正確な判断ができるということは間違いありません。しかし、常にそういう結果を含んでいるということを意識して取り組むということが何よりも重要な診断法だということを忘れてはならないのです。そうでないと思わぬ落とし穴に嵌ってしまうということです。

科学的な検査も一つの目安にはなりますが、実際の臨床の現場では、それだけでは説明のつかない症状が沢山あります。十人十色なので、きちんと観察すれば、全ての人がそうではないかと思える程です。検査数値だけが正しいと思うのは科学絶対主義であり、一つの迷信みたいなものです。現場第一という考え方を尊重すれば、科学的な結果だけが正しいと思う人はいなくなるでしょう。

この世に絶対はありえないのです。

筋力検査を習得するにあたり、初心者の場合、絶対はありえないということを見せつけられるような結果に遭遇することが多々起こるようになると思います。絶対でもなく、不確かでもない。感覚だけを頼りに治療法を組み立てていくという方法こそが筋力検査法の最も重要な考え方です。

しかし、この方法を習得すると様々なことが理解できるようになってくると思います。病態の成り立ちが如何に複雑で階層的なのかを知ることになるでしょう。東洋医学の原点を肌で感じることができる唯一の方法だと思っています。

もちろん、触診や望診等も筋力検査法を足がかりにして発展させていくことができます。皮膚張力検査法やタッピング法などは、その結果生まれた方法です。無負荷筋力検査法も正しく行えば、とても重要な診断法になります。

この観察法を用いて東洋医学の虚実の判定を行ってみたいと思います。



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