関節の痛み
関節の痛みと一口に言っても、様々なものがあります。筋肉に関連するものもあれば、一部の炎症反応から関節周囲に飛び火するような形で痛む場合もあります。
単純な筋筋膜性の痛みであれば、数日で治っていきますが、そういう患者さんは、我々のような治療には来ません。何故ならまず最初に整形外科に行って、様子を見ているうちに治ってしまうからです。
そこで、整形外科等を受診してもなかなか治らない人の一つの原因として、鼻や咽、耳などの一見耳鼻科のように思えるところの炎症反応が関節に影響を与えていることがあります。

左股関節と右膝の痛みを訴えて来院した方です。
右側頭部から頬骨付近の炎症反応がありました。風邪を条件付け、筋力検査をすると頭頚部に反応が強く、主に前側から右よりに存在していると筋力検査では確認することができました。
圧痛も僅かですが、左右差を認めましたが、あまり強い反応ではありません。多分、頬骨の一部分だけに反応が強くでているだけなので確認しにくいのだとは思いますが、筋力検査ではハッキリでていました。傷寒論でいうところの陽明の反応であり、陽明経の反応は、胃腸のみではなく、左腎、小腸(左側)、肺一部等々に臓腑反応は起こりやすいようです。そして、胃腸系統から鼻耳に来ている場合もあり、風邪の症状は殆どありません。
本人も風邪の反応や炎症が副鼻腔付近にあるとは自覚していません。花粉症もあるようですが、目だけにかゆみがでるような症状のみなので、治療家としても絶対に気づくことはないでしょう。
このような患者さんであっても筋力検査によって最大異常点を調べることができるということです。この炎症から全体や局所へ影響を与えているということを知らなければ決して治療をすることができないということもいえます。
陽明病の反応の治療としては、経筋治療が適応で、75難型、胆経と胃経の治療が必要でした。治標法が適応だったので、治標経気を調べると左足外側、標的経気は顔面部となります。
この関係をイメージングし、胆経の環跳と陽輔、胃経の三里と人迎穴を、それぞれ脊椎を捻って刺激をしました。
これだけで発汗してきましたが、治療時間は1分程度です。もちろん、歩行時にも痛みがあった股関節の痛みも消失、膝の痛みも減弱という状態になりました。
頬骨部の異常から反対側の股関節へ痛みがでて、しかも治療部位は環跳や三里といった足を中心にした穴ばかり、そして刺激もオルゴンの経絡棒を木槌で数回軽く叩くというだけの刺激で内熱していた風邪が発汗と同時に消失する訳ですから、常識的な刺激ではありません。
それにもかかわらず、治療効果は抜群で治療時間も8分程度ということですから、如何に診断と治療が重要かということが良くわかって頂けると思います。
股関節へ直接湿布をしたり、鍼をしたり、電気をかけたり、という今までのやり方だけでは決して良くなることのない例です。