マリードフットノート » 疑問にはだれも答えず──東近江市・同和地区問い合わせ事件真相報告会で、学習会講師の北口末広・近畿大学教授(部落解放同盟大阪府連委員長)に質問したけど、北口さんの回答の意味がよくわからなかったと書きました。このことがずっと気になっていたんですね。
この報告学習会には、本ブログでも紹介したことがある「鳥取ループ」の主宰者も参加されており(じつはわたしの隣に座っていた)、同サイトで録音データを公開されています(鳥取ループ 同和地区問い合わせ真相報告学習会の資料と音声)。これによって、北口さんの回答を正確に確認することができました。
○○地区が同和地区であるかどうか問い合わせた今回の電話で、どういう被害が生じているのかというわたしの質問に対し、北口さんは、直接差別を受けない同和地区住民の中にも、こういった問い合わせが今もなされていることを知ることにより、不安が増大する、そのことが被害だと主張していたのです。
そして、この問題は、たんに「犯人」が反省したからといって終わりにできる問題ではなく、再発防止の取組みが必要なのだ、と話していました。
どうなのかな。不安が増大した人がどれくらいいるのか、知りませんが、そういう人がいたとしたら、それはむしろ、行政と解放運動が、電話をかけた本人の体調や意図を考慮することなく、重大な差別事件がまたしても起こった、差別はまだまだきびしいぞ、世間は怖いぞとあおり立てた結果ということなのではないでしょうか。そして、北口さんは、再発防止の取り組みをと求めているけど、行政が何かすることによって、防止できる事柄なんですかね。
参考までに録音データから該当部分を文字に起こしてみましたので、ごらんください。学習報告会は2時間以上もありましたが、わたしの質問が始まるのは1時間53分45秒あたりから。北口さんの講演が終わると、司会がすぐに閉会のあいさつに進行しようとしたので、慌てて質問したところからです。なお、録音データの寺園の発言箇所は、趣旨を明確にするためほんのちょっとだけ補足しています。
(以下録音データから)
寺園 すんません。ちょっと質問があるんですけど。
司会 はい。
寺園 いいですか。
司会 はい。
寺園 わたし、寺園と申します。3点ほど質問があります。
1点は、今いろいろ事例を紹介いただきましたが、今回の電話の問題では、それによってどういう被害が起こっているのか、だれの人権を侵害したのか、だれの生命、財産をおびやかしているのか、あるいはその可能性があるのか。あるいはだれの心を傷つけたのか。こういったことが全然明確になっていないと思います。
なのに、同和地区の所在地を問い合わせただけで差別だ、差別だといっている。わたしは可能な限り、本件に関する行政側の書類を読みましたが、わたし自身は今回の「見解」とはまったく違う見解を持っています。その辺を明らかにしていただきたいと思います。
ふたつめは、この資料の21ページに解放同盟の「見解」が載っていますけども、ここでは(電話をした)本人のセンシティブ情報が全部暴露されています。生活保護を受給しているということまで暴露しています。そういうことが許されるものなのでしょうか。こちらのほうがはるかに大きな人権侵害だと、わたしは感じています。
三つ目は、この事件があった後、情報公開請求で地区の所在地を問い合わせをした人がいます。それについては、滋賀県も東近江市も愛荘町もいっさい問題にしていない。わたし自身もこの事件が起こった後に、東近江市役所で、市内の同和地区はどこにあるのかと聞いたことがあります。それでも全然だれも問題にしません。いったいこれはどう考えたらよいのか。
なぜこの人の電話だけみんな大騒ぎして、情報公開請求したり、窓口で地区を問い合わせても問題にされないのか。その辺についてどうお考えでしょうか。これはむしろ西沢・東近江市長、建部解放同盟滋賀県連委員長にお聞きしたいことであります。以上です。
北口 はい。みなさん、ちょっと聞こえにくかったかもしれませんが、時間がほとんどありません。2点目3点目についてはわたし自身が答える問題ではないと思います。
1点目の、この問題によってどういう被害を受けたのかということと、どういう人の心に傷かついたのか、ということであります。
わたし自身は、たとえば、結婚差別を例に考えた場合、結婚差別を受けた人はそのことによって大きな被害を被ります。しかし、それで直接部落差別を受けていない人も、あ、こういうことが行われるのか、こういう問い合わせがなされるのか、ということによって、非常に心配なことが増える。不安が増えるといういことです。そういう意味ではそういう問題を起こしていると考えています。だからそういう意味では、差別問い合わせはよくないというふうに考えています。ということです。
寺園 東近江市の前の市長の「見解」も、この問い合わせは問題であるとして反省文まで書かせているわけですよ。それで問題は解決したんじゃないですか。
北口 いや、わたしは差別というのは、たんに犯人が反省するだけではなしに、その問題を掘り下げて、再発防止の取組みに結びつけていく。それが真の取組みだというふうに考えています。ということです、以上です。
司会 ありがとうございます。時間が来ておりますので、それで先生、本日は多くの示唆に富むお話、ありがとうございます。今一度拍手をもって……(参加者の拍手で聞き取れず)
(以上)
3 月 04
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