2 月 03

2010年2月2日夜、東近江市の八日市文化芸術会館で「東近江市民による愛荘町役場への電話での同和地区問い合わせ差別事件真相報告学習会」という催しが開催され、わたしも参加してきました。

この事件については、何度か本サイトでも紹介してきました(同和独裁情報公開請求で地区所在地を問い合わせるとどうなるか解放同盟は電話をかけたA氏に謝罪しろ「鳥取ループ」の方法)。この日の報告学習会では、電話で同和地区所在地を問い合わせたA氏の行為は、「目的にも方法にも正当性がなく、明らかに差別事件」だとする東近江市の新「見解」が発表されました。それに先立って、西沢久夫・東近江市長から、これまで市が取ってきた態度に対する謝罪がありました。

真相報告学習会で謝罪する西沢市長

真相報告学習会で謝罪する西沢市長


2007年8月に東近江市民A氏が愛荘町役場に電話かけた直後、東近江市は綿密な調査を行った上で、滋賀県や愛荘町のように「重大な人権侵害だとする」解放同盟の主張には同調せず、独自の判断で「差別とはいえない」という見解を2008年2月に発表しました。

ところが、2009年2月、解放同盟東近江市協と政策協定を結んだ西沢氏が市長選挙で当選して以降、市は見解の見直しに着手しました。当初の予定では昨年秋頃には新見解が発表される段取りで進んでいましたが、内容について解放同盟側の同意がなかなか得られず、この日までずれ込んでいたものです。

わたし自身、西沢市長が就任する以前、職員研修会や市民集会などに講師として招かれ、この電話を重大な差別事件だとして行政の対応を追及する解放同盟側の主張を、批判する発言をしてきたこともあり、報告学習会には是非とも参加しなければならないと思っていました。

報告学習会では、東近江市の新見解発表の後、北口末広・近畿大学教授(解放同盟大阪府連委員長)の「東近江市民による電話での愛荘町への同和地区問い合わせ差別事件の問題点と今後」と題する講演がありました。

講演終了後、司会が、新見解や北口教授の講演に対する質疑応答の機会を与えず、閉会あいさつに進もうとしたので、一方的な見解や意見を押し付けられてこのまま閉会されてはたまらんと思い、強引に北口教授に質問する時間をつくってもらいました。

わたしの質問は以下の3点です(この通りの言葉で質問したわけではなく、寺園の取材メモによる)。

(1)A氏の問い合わせは差別行為だと断定しているが、どういった被害が及んでいるのか。この電話によりだれかの生命や生活、財産がおびやかされた事実があるのか、だれかの名誉を傷つけたのか。だれも傷ついていないではないか。

(2)解放同盟県連の見解(参加者全員に配付された資料に掲載)には、A氏の公的機関からのサポート受給の有無を含めて、本人と家族の生活状況・健康状況が事細かく記載されている。そんな情報を暴露することが許されるのか。A氏の電話での問い合わせなどよりはるかに重大な人権侵害ではないか。

(3)A氏の問い合わせの後、わたし自身東近江市役所で同和地区の所在地を口頭で問い合わせた。また情報公開請求で同和地区所在地を問い合わせた人もいる。しかし、わたしもその情報公開請求者も行政から何の批判も受けていない。なぜA氏の電話だけが問題にされるのか。

北口教授は、(2)(3)については自分が答えるべき問題ではないと言い、(1)のみ回答しました。ところが、その内容は意味不明でした。結婚差別は、された人だけでなく、した人も傷つくといったことを話していましたが、いったいどういった文脈でそういったことを言っているの、わかりませんでした。

わたしも大勢の前で質問した直後だったため、ドキドキしており、冷静に理解できていない部分もあるのですが、いずれにしても、A氏の問い合わせによって、どのような被害が生じているのか(生じる可能性があるのか)明らかにしてもらえなかったように思います。(文末に追記あり)

(2)(3)については、東近江市含めた行政側、解放同盟側からはだれも回答しませんでした。

つまり、真相報告学習会と銘打っていたものの、参加者の疑問には答えず、行政と解放同盟の見解を一方的に報告するだけで、「真相」などさっぱり明らかにならずに幕引きとなったわけです。

性懲りもなく個人情報暴露──解放同盟

それにしても、解放同盟滋賀県連の人権意識の低レベルぶりは情けなくなります。

この事件での真相報告学習会は、2008年3月に開催されたのに続き二度目です。前回の報告学習会の場でも、解放同盟県連は、A氏の個人情報を暴露する「糾弾要綱」を参加者全員に配布していました(マリードフットノート » 解放同盟は電話をかけたA氏に謝罪しろ)。

実は県連による個人情報暴露は、滋賀県も問題視しています。今年1月13日、滋賀県人権施策推進課に、あんな情報を垂れ流すのは問題ではないかと指摘したところ、県としても不適切だと認識しており、そのことは解放同盟にも伝えてあるという回答でした。

ところがこの日の真相報告学習会でも、またまた同様の個人情報を暴露したわけです。この団体は、行政や市民の差別意識、人権意識をうんぬんする前に、まずは自らを啓発する必要があるということです。

東近江市の新見解については別の機会で論じたいと思います。

追記】北口さんの回答は、やはりわたしが冷静でなかったことによる聞き間違いでした。マリードフットノート » 不安をあおったのはだれかをご参照ください。(2010.3.4)

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