11 月 26

わたしはこれまで、旧来の方法とは別の視点、方法、ツールを用いて同和行政と部落解放運動の現状と問題点を指摘してきたつもりです。しかし、世の中は日々革新しているようです。わたしには思いも寄らない方法で、現状の矛盾点を突いている人がいます。

以前、本ブログで紹介したこともある「鳥取ループ」氏がその一人です。(参照:マリードフットノート » 情報公開請求で地区所在地を問い合わせるとどうなるか

一人の滋賀県東近江市民が、深い考えも目的もなしに、隣の愛荘町役場に電話をかけ、「○○地区は同和かどうか教えて欲しい」と問い合わせた事件について、もう2年以上にわたって、同県内の最も重要な人権問題として、行政と運動団体はその「解決」に奔走しています(何をもって「解決」といえるのか判然としませんが)。

この事件と行政の対応に疑問を持ったループ氏は、滋賀県、東近江市、愛荘町に対して、情報公開制度を使って、同和対策事業の対象地域名の開示を請求しています。各自治体とも請求に対しては、「非開示」「文書不存在」などと回答しているようですが、しかし、同和地区所在地を問い合わせることになるこれらの情報公開請求については、何ひとつとがめることはしていません。部落解放同盟や関係機関も同様の対応です。

つまり、行政と解放同盟らは、電話でしかも匿名での問い合わせに対しては、重大な差別事件として大騒ぎするのですが、公的な制度を使って正面から同じこと(行政や運動の側から見ると、考えようによってはより「悪質」なこと)をしても、見逃してくれるのです。実に奇妙なことです。

行政と解放同盟の奇妙な対応は、彼らが「差別」だと主張する根拠の薄弱さ・恣意性と、動機のいかがわしさを示すものだと思います。

そして、ループ氏の情報公開請求は、おそらく多くの人が感じてきた行政と運動の主張の矛盾点を、非常に分かりやすい形で示してくれた試みといえるでしょう。

ところが、ループ氏は最近、もっと大胆なことをやっています。「部落地名総鑑」(と言われているもの)の圧縮ファイルを自身のサイトに掲載しているのです。そして、この「部落地名総鑑」(と言われているもの)のくだらなさと、にもかかわらず、今なお深刻な部落差別の証明だとして騒ぎだてる人たちのマヌケぶりを、批判しています。(鳥取ループ インターネットに流れているという部落地名総鑑の圧縮ファイル

こういった形での批判も、わたしには思いも寄らないことでした。「部落地名総鑑」(と言われているもの)ファイルとその記事が、ループ氏のブログに掲載されて、もう2週間近く経ちますが、まだ削除されることなく存在し得ているということは、「地区所在地」情報公開請求同様、「部落地名総鑑」問題を重大視する人たちの根拠薄弱ぶりを見事に突いているといえるでしょう。

なお、ループ氏とは関係ありませんが、先日、自由同和会の研修会に参加する前、初めてこの団体の運動方針を読んでみました。「部落地名総鑑」について、賛成できる指摘をしているんですね。参考までに、以下添付しておきます。

自由同和会中央本部
平成21年度運動方針より
(ヒューマンJournal NO.189 2009(平成21)年6月掲載)

また、最近、一部運動団体が部落地名総鑑を発見したと騒いでいるが、高度に発展しているインターネット社会と、同和対策事業で同和地区が以前の面影を残さないほど環境整備が図られた地域、まして混住化が進んだ地域の現状を勘案すれば、部落地名総鑑の持つ意味が以前ほど重大ではなく、当然、取扱についても違いが出てくると思われる。

同和対策事業が実施される前の劣悪な環境の同和地区を見れば差別の助長に繋がったが、現在の同和地区を見ても差別心は芽生えないであろう。

なおかつ、同和問題を少し勉強すれば同和地区には隣保館や改良住宅が建設されていることが分かり、インターネットで県や市町村のホームページで隣保館や改良住宅を検索すれば、同和地区の所在はすぐに判明するし、航空写真や衛星写真で同和地区全体を観ることもできる。

同和地区に入れば、同和問題を解決するための看板やポスターが目に付くし、人権週間になれば隣保館などに垂れ幕や横断幕などが掲げられ、同和地区であることを知らせている。

また、隣保館が行っている交流事業に参加する人達もすべて知ることになる。

したがって、同和地区の所在をあえて公開する必要はないが、部落地名総鑑を発見しても、差別の助長になると大騒ぎするのではなく、淡々と処理すればいいことで、未だに差別があることの根拠にすることは差別の現状を見誤る危険な所業といわざるを得ない。

同和地区に住む人達を差別しようとする悪意を持った確信犯的な人は絶対になくならない。そのようなレイシストが部落地名総鑑を作成してインターネットに流すなど悪用した場合には、毅然として対処することは当然であるが、今や混住化が進み半数以上は関係者以外の人達であることを広報することのほうが部落地名総鑑を無意味にする近道ではないだろうか。

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