10月8日発売の月刊紙『ねっとわーく京都』2009年11月号に、「泥沼への道をひらいたのはだれか──同和奨学金返済問題前日譚」を書きました。
京都市は、市民ウォッチャー・京都との住民訴訟に敗れたのを機に、これまで同和奨学金借受者の返還を肩代わりしていた自立促進援助金制度を廃止し、2001年度以降に返還期を迎えた借受者約1400人に限って、返還を求めるよう制度を改めています(2000年度以前に返還が始まっている2200人については、本人の意思や経済状況に関わりなく一律に全額免除。免除額は最終的に18億円に上ると見られる)。
今回の記事では、突如返還を迫られることになった住民側(市の誤った説明を真に受け、ほぼ全員、同和奨学金は返還義務があるという認識を持っていなかったと思われる)の戸惑い、怒りの声などを紹介しました。
裁判をやっていた頃は、勝訴すること、自立促進援助金という異様な制度を廃止することで手一杯で、廃止後、どう行政に後始末させるか、戦略を持っていなかったことを、実は今、悔やんでいます。
行政にだまされた結果であろうとなかろうと、違法に支出された公金を受け取ったのは事実なのですから、借受者に返還義務があることには変わりありません。しかし、運動団体の圧力のもととはいえ、彼ら住民を嘘の説明で惑わして奨学金を受け取らせてきた(ときには無理矢理)行政側の責任はどうなるか。だまされた方だけ責任をおっかぶせられ、だました方は何の責めを負わないでいていいのか。現在は、最高裁で違法判決が確定したからという理由で、京都市は一転して住民に負担、尻拭いをさせようとしているだけだが、これはあまりにも不条理ではないか。
議会や住民監査請求などで、京都市は、自立促進援助金制度を改めるよう、少なくともこの15年間にわたって批判を受けてきました。しかし、問題は何もありませんと、批判に耳を貸すことなく放置してきたわけです。それなら、違法な公金支出を決定してきた市幹部、そして違法な支出に賛成してきた市会議員にも責任を取らせる必要があると思うわけです。たとえば、全返還金の何割かを歴代の市幹部と議員が負担するという形まで、われわれの運動は持っていくべきだったと思います。
裁判中、そして昨年度の京都市同和行政総点検委員会で議論が行われている最中も、そういった観点からの策を講じてこなかったことが悔やまれます。
そして、今回の記事では、住民側の「被害」額を決定的な形で膨らませたのは、現在の門川大作市長自身であることを、解放同盟関係者などの証言で指摘しています。いうなれば、同和奨学金返還問題の「前日譚」的な内容です。詳しくは、同誌をお読みください。
購読は『ねっとわーく京都』編集部までお問い合わせください。電話075−213−3107
10 月 08
Comments are closed