8 月 24

7月29日付記事「同和独裁」が人権連機関紙に転載で、「地域と人権」(2009年7月15日付)に掲載された、東近江市の同和地区問い合わせ対応マニュアルについて、コメントしたいことがあると書いてから、だいぶ時間がたってしまいました。

念のため、マニュアル全文を読んでからコメントしようと思ったんですね(「地域と人権」に掲載されたのは一部)。ところが、東近江市から全文を取り寄せようとお願いしたところ、「見せられません。どうしても見たいのなら情報公開請求してください」と言われたのです。

マニュアルに個人情報や市民の安全が脅かすおそれのあることが書いてあるわけでもなかろうし、なぜそんなムダなことをさせるのか、市民の利便性を考えるべきではないかなどと、担当の人権政策課及び総務課に文句を言ったのですが、わかってもらえず、開示請求することになってしまったのでした。

結果、当たり前のことですが、今月21日、全面開示してもらいました。

ただし、本日は、その東近江市のマニュアルではなく、大阪市のそれに関して一言、忘れないうちにのべておきたいと思います。

大阪市でも、「同和地区に関する問い合わせについて」と題するマニュアルを作っているのです。各区役所の人権相談窓口担当者に活用させているとのことです。

この市では、問い合わせに応じないだけでなく、問い合わせしてきたときも、同和啓発の好機としてとらえ、

そのために聞き取りによりどのような意識が背後にあるかを聞き出します。その上で、その人がそういった意識を持つに至った「経験」、同和地区に対するイメージあるいは「自分も差別されるからいや」等相手の言い分を十分話してもらったうえで、本市の人権政策、「忌避意識」をなくすための啓発事業等を説明し理解を得るよう心がけます。

ことにしています。マニュアルでは、結婚、通学校区、住宅購入に関して、同和地区の所在地の問い合わせを受けたときの想定問答集3例をまとめています。いずれも実例をもとに作成したとのことです。

3例ともパターンは同じです。

問い合わせがあったとき、「そういったことには答えられない。差別行為ですよ」などと頭ごなしに言うのではなく、なぜ知りたいのか、できるだけ慎重に、詳細に質問していきます。

そして、根掘り葉掘り聞き出したあとではじめて、そういった動機からの問い合わせは「差別していることになりませんか」と切り出し、いかにそれが人を傷つける行為か説明していきます。

はじめ、教えてくれるんかいなと思い、役所の質問にほいほい答えたあげく、肝心のことには答えてもらえず(もちろん大阪市ははじめから教えるつもりはまったくない)、急に「それは差別ですよ」とやられ、説教され、「差別者」にさせられ、最後にはいっぺん役所までお出で乞うと求められるわけです。

しかし、さきほど、忘れないうちに書きとめておきたいと言ったのは、このマニュアルの内容のことではなく、これが開示されまでの大阪市市民局人権室の対応についてなんです。

以下のような経過です。

今月5日(水)、関連するテーマで、同市人権室担当者に取材のため電話、このマニュアルの存在を教えてもらう。「全文をもらえないか」と頼むと、担当者は「情報提供できるか、あるいは情報公開請求してもらうことになるか、検討させて欲しい」との返答。

7日(金)夕方、担当者より返答が来る。「検討した結果、いっさいお渡しできない」。わたしが「それは情報公開請求をしても非開示にするということか」と尋ねると、「そうだ」とのこと。

10日(月)、再度、人権室に電話する。というのも、「情報提供できない」という電話を受けたとき、わたしが四条河原町(京都市一の繁華街)の近くを歩いている最中で、電話で詳しく事情を聞くことができなかったため。

電話で、市としては非開示にする意向であることを確認し、その理由を尋ねる。担当者曰く、「公開すると(今後地区所在地を問い合わせしてくるやつに)市側の手の内を明かすことになり、事務の執行に支障が出る」

納得できず、情報公開請求する(←知らなかったけど、大阪市はインターネットで請求できる。これは便利)。予告通り非開示なったら裁判に訴えるつもりだった。

20日(木)夕方、大阪市人権室担当者から電話。「先日請求の件、情報提供できることになった。自宅に送る」との連絡だった。

21日(金)、人権室から「マニュアル」全文送付されてくる。

24日(月)、人権室に電話。なぜ急に情報提供できることになったのか知るため。じつは面目ないことに、20日人権室から「情報提供する」という連絡を受けたとき、今度は家でうたた寝しているところだった。半分寝ぼけながら聞いていたので、そのときは細かいことを聞けるような状況ではなかった。

担当者「局で再検討した結果の判断。詳しいことは内部のことなので話せない」

寺園「開示請求しても出せないと言われたら、普通請求する人はいない。誤った判断で市民の知る権利を奪っておきながら、お詫びの言葉一つくらい言ったらどうか」

担当「そういうことも言うべきだったかもしれない」(とは言うものの、結局最後までこの担当者からお詫びの言葉は聞かれず)

同日、大阪市情報公開室に電話する。非開示といっていたのが急に情報提供された経緯を尋ねる。人権室は「内部のことなので話せない」と言っていたが、情報公開室では、当然のことのように、というより、なぜ人権室はちゃんと説明しないのかといぶかった様子で、教えてくれた。

それによると、開示・非開示の決定は市民局が行うが、情報公開室としてもどう対処するか以下のような意見を述べたとのこと。

非開示にしたあと、請求人(寺園のこと)が異議申し立てをしたり、訴訟に出たりすると、大阪市の立場は非常に厳しいものになる。有識者(弁護士)に相談してはどうか。

その職員によると、判断に迷う場合、その都度有識者から意見を求めることがあるそうです。結局市民局(人権室)はその有識者の助言に従い全面開示(実際には情報提供)ということに相成ったわけです。

情報公開に関しては、わたしは数年前までは京都市からずいぶんひどい目に遭わされてきました。でも、開示できる書類なのにできないなどとデタラメを言われることはありませんでしたね。

大阪市は、市民グループ「見張り番」はじめいくつかのオンブズマン団体から監視されたり、またマスコミからしばしば批判にさらされてきました。市民からの表からの「情報公開」要求に対しては、手慣れた対応をしてくれるものと思っていましたが、必ずしもそうではないみたいですね。

この部署は、ことあるごとに市民の「差別意識」を啓発することには熱心だけど、その前に、自分たちは市民の奉仕者であることを、自己啓発する必要があると思います。

なお、大阪市のマニュアルは、近日中にホームページにアップロードします。

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