〈総点検委員会報告を「点検」するシンポジウム〉というのが、6月13日午後、京都市中京区の職員会館かもがわで開かれたので、行ってきた。
主催したのは、京都市職員連合部落問題学習協議会(市連協)という市職員でつくるサークルだ。サークルとはいえ、これまで民主市政の実現に向け、全解連や京都市教組などとも共闘して、解放同盟の糾弾闘争に反対したり、市の乱脈行政是正/同和行政終結のための取り組みを続けてきた団体である。
参加した感想を思いつくまま書いておく。
総点検委員会は1年の審議を経て、今年3月「最終報告」をまとめ、京都市の同和行政の今後のあり方について提言した。
その「最終報告」には、同和奨学金借り受け者の返済を市が肩代わりしてきた自立促進援助金制度の廃止をはじめ、コミュニティセンター(旧隣保館)の廃止など、残存している同和行政を完全に終結させることだけでなく、これまでの京都市の同和行政の進め方の不透明性、運動団体との不自然な関係なども一掃することなども盛り込まれている。
もちろん基本的な点で同意できない部分もあるが、全体としてはこれまでの市の同和行政の抱える問題点に正面から取り組むよううながす内容だといえる。
わたしだけでないと思うが、この日のシンポジウムでもっとも注目したのは、総点検委員会の事務局をつとめた京都市人権文化推進部の淀野実部長が、「最終報告」の内容について報告したことだった。
淀野さんはあらかじめ用意してきた原稿を読み上げる形での慎重な報告だったが、「最終報告」が指摘する、行政の透明性の欠如や運動団体との関係に関する批判点についても詳しく触れるものだった。そして、市として、これまでのあり方を深く反省し、「最終報告」の提言を最大限尊重していくつもりだと、くり返し強調した。
市連協主催のシンポジウムに、現職の市幹部が出席し、同じテーブルで議論すること自体、京都市の大きな変化だろうと思う。あるいは、オープンな行政に転換せよと指摘した「最終報告」を早速実践したものだといえる。
シンポジウムでは(フロアー発言も含め)、「最終報告」では行政と部落解放同盟との関係など、未解明な部分が多く、京都市もこれまでの自らの誤りを根本的に反省しているとは言い難い、これでは根本的な是正には結びつくかどうか疑問だという趣旨の発言が、何人かからなされた。
もっともな指摘だと思う。だが、そういったことを行政に期待すべきことなのだろうか、疑問に思う。現実的な要求だとは、わたしには思えない。京都市の同和行政が、そして市の機構全体が、いかに歪められたのか、行政自らすすんで解明するなんてこと、どだいあり得ない話ではないか。とくに、前現市長が、深くかかわっていることなのだから、なおさらであろう。
むしろそれは、市民の側が独自に調査して明らかにしていくべき課題なのではないかと思う。
その解明がない限り「最終報告」なんてなんの意味がないなどという態度は、前向きではないというか、現段階ではもはや問題解決には結びつかない。京都市がどこまでやれるのかお手並み拝見という態度も無責任だと思う。
不十分な点があっても、京都市が是正に取り組む意欲を示しているのだから、その動きを最大限利用すべきではないか。
長年にわたって形成されてきた同和行政による弊害が、そう簡単に修正されるとは思わないし、自立促進援助金の処理のしかたなど、今後も追及していく課題はある。
だが、提言されている個々の方向性については、賛成したいことが多々あることはたしかだ。京都市がいま、これをもとに抜本的に是正しようと動きはじめたことも事実である。そのことを重視する必要があると思う。
「最終報告」の積極的な提言部分を、京都市が最後まで実行するかどうかチェックする、あるいは場合によっては協力することもこれからは求められるのではないかと思う。
今日の淀野さんの話を聞いて、京都市はある一線を越えたというか、突き抜けたという印象を持った。少なくとも抜本的に是正していこうというグループが、市内部に存在するという印象を持った。そういった変化を軽視して、従来通りの批判をくり返しているようでは、状況から取り残されるばかりであろう。
事態を変えていくための参加と責任ということを考えさせられたシンポジウムだった。
なお、「最終報告」はじめ、総点検委員会の議事録、資料などはすべて京都市のホームページで公開されている。
6 月 14
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